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  • 2023/03/10 掲載

インバウンド壊滅は「また起きる」と言えるワケ、酒蔵が実践する観光業復活の大ヒント

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新型コロナによる入国制限がおおむね解禁されて以降、国内ではインバウンド消費が戻り始めている。しかし、コロナ禍によってインバウンドが抱えるリスクも幅広く認識されるところとなった。特に、訪日外国人で非常に高いシェアを誇った中国人観光客が戻ってきておらず、中国依存が抜け切れていないのは大きな課題だ。このため最近では、(1)訪日国の分散化、(2)量より質に向けたインバウンド戦略が注目され始めている。ここでは、インバウンドの動向やリスクについて解説しつつ、酒蔵による成功事例を交えながら観光業復活のヒントを探る。
執筆:文殊リサーチワークス リサーチャー&プランナー 三浦直子

執筆:文殊リサーチワークス リサーチャー&プランナー 三浦直子

文殊リサーチワークスのリサーチャー&プランナー。千葉大学工学部工業意匠学科卒業。DDA顧問S&D研究所に勤務後、都市開発マーケティング企業を経て独立。現組織にて商業・レジャー施設の市場調査業務に従事。「東武動物公園」リニューアル、「三鷹の森ジブリ美術館」、「ムーミンバレーパーク」のオープンに際しリサーチを担当する。

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中国依存を脱出するため、今後検討すべきインバウンド戦略とは
(Photo/Shutterstock.com)

入国規制を緩和しても伸び悩むインバウンド

 日本政府観光局(JINTO)によれば、2022年の訪日外国人客数は383万1900人(推計値)となっている。前年はコロナ禍による入国規制の影響によって24万5862人であったことから、358万人を超える大幅増となった(図1)。

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図1:2022年の訪日外国人数が急回復も…
(出典:JINTO 訪日外客数

 ただし、コロナ禍以前となる2019年は3188万2049人であり、増えたと言ってもコロナ禍以前の12%程度の規模にすぎない。コロナ禍以前の規模まで回復しなかった背景はいくつか挙げられるが、1つは入国規制緩和のタイミングだろう。

 2022年2月にビジネス関係者・留学生に限って入国規制を緩和し、6月に添乗員付きツアー限定で観光客の受け入れを開始。だが、FIT(パッケージツアーなどを利用しない個人旅行)の多い外国人旅行者には敬遠され、インバウンドは思うように伸びなかった。入国規制がおおむね撤廃されたのは、2022年10月である。


 そしてもう1つの背景が、日本のインバウンドの中心を占める中国インバウンドが回復していないことだ。

 2019年の訪日外国人数の国籍別シェアを見ると、中国が最も多く30.1%を占めている。しかし、2022年では中国は4.9%に留まっている(図2)。最新の数字(2023年1月時点)でも中国はわずか2.1%だ。

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図2:中国からの訪日は依然として停滞したままでいる
(JINTO 訪日外客数より編集部作成)

 中国のゼロコロナ政策の影響で伸び悩んでいたが、今は外交問題の影響もある。コロナの収束と共に徐々にインバウンドは回復に向かうと考えられるが、中国インバウンドの動向には不透明感が出てきている。

インバウンドが抱える「大きすぎるリスク」

 インバウンドはリスクのあるマーケットと言える。ひとたび今回のような世界的な感染拡大が起これば、すぐに壊滅状態となる。感染症の専門家は、今回のような事態は今後も起こり得ると明言しており、コロナが収束したとしても大きなリスクが残ってしまう。

 そのほかにも、インバウンドマーケットはいくつものリスクを抱える。たとえば気候変動で常態化している自然災害、インバウンドの中心を占める中国、韓国との外交問題などだ。外交問題については、最近では中国のビザ発給停止措置が記憶に新しい。

 中国国内での感染拡大から日本や韓国が中国人の入国規制を強化したことを受け、科学的根拠のない対応として、2023年1月10日から日本人や韓国人のビザ発給を停止した(その後、29日には解除される)。これは日本からの訪中だが中国からの訪日では、中国政府は2月6日に20カ国を対象に団体旅行を解禁。しかしこの中に日本や韓国、欧米主要国は含まれていない。

 これまでは観光産業でボリュームの大きい中国マーケットを重視してきたが、こうした状況を受けて近年は国を分散化させる方向性が重視され始めている。 【次ページ】「分散化・量より質」の具体策、“酒蔵”の成功事例も

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