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  • 2023/04/10 掲載

期待されてやる気が出る人・出ない人の差は何か? 脳科学的「人を動かす」会話術

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多くのリーダーが、メンバーにはモチベーションを高く持って業務に取り組んでほしいと思っていることでしょう。ですが、期待をかけたからといって、全員がやる気を出し、期待にこたえようと動くわけではありません。期待されてやる気が出る人・出ない人の違いには、脳が無意識のうちにやってしまう思考のクセ「認知バイアス」が関係しています。脳と心の仕組みを研究してきた筆者が、認知バイアスを味方につけた人だけがたどり着ける、人を動かすポイントを解説します。

執筆:脳科学者 西 剛志

執筆:脳科学者 西 剛志

脳科学者(工学博士)、分子生物学者。
1975年、宮崎県高千穂生まれ。
東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年に企業や個人のパフォーマンスをアップさせる会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦まで1万人以上をサポート。テレビやメディアなどにも多数出演。著書に『なぜ、あなたの思っていることはなかなか相手に伝わらないのか?』『脳科学者が教える集中力と記憶力を上げる 低GI食 脳にいい最強の食事術』『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)などがある。著書は累計25万部を突破。

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「認知バイアス」を理解している人だけが知る、部下のやる気を引き出す方法とは
(Photo/Shutterstock.com)

秀吉も? 期待どおりになる「ピグマリオン効果」とは

 あなたは「ピグマリオン効果(Pygmalion effect)」というものを聞いたことがあるでしょうか? 「人からの期待を受けると、期待された人がその通りになってしまう」という教育の分野で発見された現象です。

 ピグマリオンとは、もともとギリシャ神話に登場する王さまの名前。物語では、彼がつくった理想の女性の彫刻を愛した結果、その願いが叶い、その彫刻が本当の人間になったことから、「ピグマリオン効果」と呼ばれています。

 有名なのは、農家の生まれにもかかわらず、一代で天下を統一した豊臣秀吉の話でしょう。秀吉は子どものころから、母親に「あなたは特別な子なんだよ」と言われていたそうですが、それがいつしか本当に天下を統一する特別な存在になりました。

 この認知バイアスは、米国の教育心理学者ロバート・ローゼンタールが提唱したことから「ローゼンタール効果」と紹介されることもあります。

 ただ、この「ピグマリオン効果」、期待すれば絶対に全員が期待に応えようとするかというと、決してそうではありません。わたしも教育やビジネスの現場でよく見てきましたが、なかには期待そのものが逆効果になってしまい、やる気を失う人もいました。

 同じ期待をかけているはずなのに、なぜ、人によってこのような違いが生まれるのでしょうか?

なぜ、期待されてやる気が出る人・出ない人がいる?

 その理由の1つは、「期待をかけられた本人がその期待をどのくらい実現できる可能性があるのか?」にあります。

 たとえば、あなたが上司から「このイベントで人を集められるのは君しかいない」と期待されたとします。そのとき、自分が集められる人数は100人なのに、もし5000人を集めなければいけないイベントだったら、どうでしょうか? 自分の実力から大きくかけはなれており、実現可能性はほぼ0になります。

 途方もなく大きなことは脳にとって恐怖と感じるため、一般的にわたしたちはその期待に押しつぶされそうな状態になります。

 一方でそのイベントが10人集めるだけだったら、どうでしょうか? 自分が集められる能力は100人ですから、目を閉じていても簡単にできます。すると、自分の能力以下のことはたいしたことではないため、人に期待されてもモチベーションは高まりません。

 つまり、絶対に実現できること(実現可能性が100パーセント)、絶対に実現できないこと(実現可能性0パーセント)を期待されても、やる気は出ないのです。 【次ページ】ピグマリオン効果の真実を知る人だけがたどり着く「人を動かす」技術

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