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  • 2023/05/09 掲載

定時退社できないのは「あなたのせい」? 残業激減の「タイパ爆上げ」超簡単ノウハウ

連載:何がなんでも定時で帰るためのタイパ仕事術

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定時に帰りたいと思っているのに、毎日のように残業が発生してしまう。上司からの依頼、部下からの相談、お客さまからの急なメール。その合間を縫って、今日が締め切りの企画書を作ったり、見積もりを作ったり……気づけば毎日20時を超えるような生活。こんな状況になっていた場合、周囲のせいだから仕方がないと考えるかもしれません。しかし、実は自分自身の考え方や仕事の進め方にも大きな問題があるかもしれないのです。残業が当たり前の状態から脱却し、定時退社を当たり前とする大切な考え方とノウハウについてお伝えします。

執筆:アイ・コミュニケーション代表取締役 平野 友朗

執筆:アイ・コミュニケーション代表取締役 平野 友朗

一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事
株式会社アイ・コミュニケーション 代表取締役

1974年、北海道生まれ。筑波大学人間学類で認知心理学を専攻。広告代理店勤務を経て独立。2004年、アイ・コミュニケーションを設立。2013年、一般社団法人日本ビジネスメール協会を設立。ビジネスメール教育の専門家。メールのスキル向上指導、組織のメールのルール策定、メールを活用した営業力強化、メールコミュニケーションの効率化や時間短縮による業務改善など、支援実績は多岐に渡る。これまでに研修やコンサルティングを行った組織は、官公庁から民間企業、団体や学校に至るまで5000を超える。年間150回以上の研修やセミナーでの講演、1500回以上のメディア掲載、2003年から続くメルマガ「毎日0.1%の成長」を通じて、ビジネスメール教育の普及に力を注いでいる。著書は「仕事ができる人は実践している!ビジネスメール最速時短術」(日経BP)、「そのまま使える! ビジネスメール文例大全」(ナツメ社)など34冊。

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定時退社するために必要なものは何か
(Photo/Shutterstock.com)

定時に帰れない人が陥りがちな「諦めモード」

 定時に帰れない人は、初めから定時に帰ることを諦めているのかもしれません。帰ると言ったら同僚から「白い目で見られるかもしれない」と考えたり、上司から「営業成績が悪いのにどうして帰るんだ」と言われることを恐れたりしている可能性があります。こういった経験が何度か続くと、完全に諦めモードに入ってしまい、定時に帰るという願望すら持たなくなってしまうのです。

 私も前職は営業担当としてある企業に勤めていましたが、定時に帰るのは非常識、みんなが残っているなら会社に残るべきだという空気をずっと感じていました。そろそろ21時を回ったし人も減ってきたから帰ろう、そうしてやっと帰れるのです。

 この前提で仕事をしている場合、日中に仕事のペースを落としたりして夜の作業を残しておくようになるかもしれません。しかし本人は、遅くまで会社にいることを前提にペース配分をしているだけで、手を抜いて「サボっている」という自覚はなく、毎日残業ばかりのブラック企業だという認識すら持つことがあります。

 別の例で考えてみましょう。2023年2月は平日が19日あります。一方6月の平日は22日あります。平日に営業している会社で考えるなら、月によっては営業日に3日もの差がありことがわかります。2月も6月も同じ仕事をしているなら、6月は3日休んでも仕事は回るはずです。あるいは、【19÷22=86.4%】と計算すると、実際の時間に15%の差があると分かります。つまり、日々の労働時間を15%減らしても同じ業務ができるはずなのです。

 これ以外にも、たとえば電車の遅延で遅れたり、急病になったり、慶弔休暇を使ったりで急に仕事に穴を空けたことが皆さんもあるかもしれません。しかしそうした場合も何とかやりくりして、仕事は回ってきたと思います。

 お子さんのお迎えや友人との会食など、予定がある日だけ早く帰れる人もいるでしょう。あるいは、有休を取ろうと考え、事前に仕事のやりくりをうまくして長期休暇を実現する人もいます。このような例からも、やりくりをしようと思えば実現できることが分かります。

 残業しなければならないわけではないのに、無理に残業してしまうということは現実にあるかもしれませんが、まずは残業をしないと決め、毎日定時に帰ることを心がけることが重要です。そうすれば、無理なく仕事とプライベートを両立することができます。

時間があっても仕事が終わらない「パーキンソンの法則」

 皆さんは、パーキンソンの法則をご存じでしょうか。

 イギリスのシリル・ノースコート・パーキンソン氏が著作『パーキンソンの法則:進歩の追求』、およびその中で提唱した法則です。パーキンソンの法則は、次の2つの法則から成り立っています。

  • 第一法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
  • 第二法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する

 第一法則は、時間があればあるだけ使ってしまうというもので、第二法則は、お金があればあるだけ使ってしまうというものです。ただこれだけ聞いてもピンとこないかもしれません。

 たとえば、社員が急に退職したけど、仕事はなんとか回っているというケースを考えてみましょう。私の会社でも、社員が急きょ退職したことがあります。初めは絶対に回らないと思っていたのですが、やってみたらなんてことはありません、きちんと回るのです。では、そのスタッフがサボっていたのかというと決してそうではないでしょう。自分で無駄な仕事を作ったり、非効率な状態だったりしただけなのだと思います。

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2つの法則から成るパーキンソンの法則
(Photo/Shutterstock.com)

 あるいはほかの例では、企画書の提出日まで何度も何度もチェックを繰り返し、時間をかけた経験はないでしょうか。これも、パーキンソンの第一法則の通りです。まだ時間があるからもっと精度を高めようという行動です。この傾向が強い人は、時間がいくらあっても足らないという状態に陥りやすいと言えます。

 先ほど書いた2月と6月で同量の仕事が処理できるという話ですが、パーキンソンの第一法則で説明がつきます。19日でできるとしても、22日あるとなれば勝手に膨張してすべてを使い切ろうとするのです。

 こうならないためにも、パーキンソンの第一法則の存在を理解し、常にそのわなに陥っていないか点検する必要があります。 【次ページ】定時退社のための具体的な「仕事術」とは

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