- 2025/06/08 掲載
その仕事、全部ムダかもしれない…「偽仕事」はどうすれば取り除けるのか
1978年生まれ。デンマークの人類学者、講演家、著述家。オーフス大学で人類学の修士号を取得した後、長年にわたってコンサルタントや企業の社外取締役として働き、現在はフリーの講演家およびコメンテーターとして国際的に活動している。英訳された『Cultural Intelligence for Stone-Age Brains』など、文化や文化の差異についての著書がある。
1973年生まれ。フリーで活動するデンマークの哲学者、著述家、劇作家、講師。パリのソルボンヌ大学で哲学の修士号、コペンハーゲン大学で博士号を取得。英訳された『The Project Society』や『Brave New Normal: Learning from Epidemics』など10冊の著書があり、そのほとんどが現代社会と私たちの現状を論じたものである。ウェブサイトはwww.philosophers.net およびwww.filosoffen.dk。
つまらない仕事を次々と生み出す労働市場を変えるには?
あなた自身の仕事がたまに偽のように感じられたり、時間がかかりすぎたり、無意味に思えたりするのなら、何か新しいことに挑戦すべきかもしれない。仮晶のプロセスを経た労働市場はつまらない仕事を次々と生み出し、「時間単位で」賃金を払って、偽承認と大げさな肩書きを与えている。この労働市場にふたたび意味を注入するには、どうすればいいのだろう?
賃金に頼って暮らす大多数の人は、どうしようもないと感じるかもしれない。自分に何ができるのだろう?
ここでは偽仕事を取り除く方法を、いくつか詳しく説明したい。
あなたが「家に帰る」ことは、周囲のお手本になる
最初の提案は、家に帰ることだ。週に37時間働いているふりはしないこと。遅刻し、早退して、毎日出勤しないようにする。はじめは気まずく感じるかもしれないが、自分自身の利益関心よりも大きな目的のために果敢に闘っていることを思い出そう。
フランスの実存主義哲学者ジャン=ポール・サルトルによると、選択は常に倫理的である。自分の生き方が他者に選択の仕方を示すからだ。何をするにせよ、あなたはお手本だ。早退を選ぶことで、偽りの仕事から自分を解放するだけでなく、ほかの選択肢があることを周囲の人に示してもいる。
だが覚悟しておこう。同僚たちが腹を立てるかもしれない。その場合、自分の仕事はすべて終わらせていると説明する必要がある。夜に作業すると嘘をつかないこと。早退という選択の倫理的な影響力が失われ、全体のまちがった考えに貢献することになってしまう。
他方で、職場が時間をもとに賃金を払うのをやめたり、社会が変わったりするのをただ待っているわけにはいかない。少し席をはずしているふりをして、パブでサッカーを観るのはよくない。偽仕事を永遠に続かせるだけだからだ。パブに行くのなら、職場を離れる積極的な選択としてそうすべきだ。 【次ページ】本来の仕事を妨げる上司の命令には「ノー」と言う勇気
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