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  • 2023/11/15 掲載

「オンライン診療」はなぜ進まない?コロナ禍で需要高まるも普及への課題が浮き彫りに

連載:基礎からわかる医療ITの『なぜ?』

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コロナ禍では、感染リスクを恐れた「受診控え」が問題となりました。そのような中、打開策として注目されたのが、「オンライン診療」です。しかし、オンライン診療の普及率はそこまで高くないのが現状です。なぜ、日本の医療ではオンライン診療は普及しないのでしょうか。オンライン診療のメリットと患者側・医療機関側からみた普及への課題について解説します。

執筆:MICTコンサルティング 代表取締役 大西大輔

執筆:MICTコンサルティング 代表取締役 大西大輔

一橋大学大学院MBAコース修了後、医療系コンサルティングファームに入社。2002年に医療ITの展示場を設立、2007年に東京、大阪、福岡の3拠点を管理する統括マネージャーに就任。2013年に医師の右腕を育成するクラーク養成プログラムを共同開発。2016年に独立し、MICTコンサルティングを設立。過去3000件を超える医療機関へのシステム導入、経営支援の実績に基づき、診療所・病院・医療IT企業のコンサルティング行う傍ら講演活動、執筆活動を行う。医療事務専門学校の非常勤講師も務める。

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なぜ日本ではオンライン診療が普及しないのだろうか
(Photo/Shutterstock.com)

データで見るオンライン診療の現状

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Q.コロナ禍で、オンライン診療が話題となりましたが、かかりつけのクリニックでは、「やっていない」と言われました。いまだにオンライン診療に対応しているクリニックが少ないように感じます。なぜ日本ではオンライン診療が普及しないのでしょうか。

生成AIで1分にまとめた動画
A.政府は2020年4月10日に新型コロナが収束するまでの期間に限り、初診から電話やオンラインによる診療を実施できるよう、オンライン診療の実施要件を大幅に緩和しました。

 それに合わせて、薬局でのオンライン服薬指導(医薬品の副作用等の説明)も解禁され、結果として、オンライン診療から服薬指導、そして処方薬の発送までが一気通貫で提供できる環境が整えられたのです。その後、この規制緩和は2023年7月末まで続きました。

 しかし、オンライン診療の普及割合について、総務省の「令和3年版情報通信白書」によると、「2020年4月10日に要件緩和が行われて以降、登録機関数は増加したが、同年6月以降、登録機関数は緩やかな増加」という結果が示されています。

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2020年6月以降、登録医療機関数は緩やかな増加にとどまっている
(「令和3年版情報通信白書令和3年版情報通信白書」より編集部作成)

 現時点では、全医療機関の約15%を推移しているという状況が続いています。また、実際には手軽にできる「電話診療」ばかりが増え、オンライン診療はそれほど増えなかったという状況が浮き彫りとなりました。

患者側のメリット・デメリットとは

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Q.患者にとって、オンライン診療はどのようなメリットがあるのでしょうか。

A.患者にとってのメリットとしては、通院や待ち時間が解消されます。これにより、医療機関での感染リスクがなくなり、受診にかかる時間を事前に予測することもできます。

 また、スマホ1つで受診が可能となるため、自宅や会社、車内などインターネットがつながる場所であれば、どこでも受診が可能となります。「病院に行くのは1日仕事」というような嘆きはなくなるのです。

 小さな子供を抱える主婦や、忙しくてなかなか受診できない会社員、移動が難しい高齢者にとっては大変利用しやすくなります。さらには、オンライン診療の方が、通常の診療に比べてかかる費用が少ないとくれば、使わない手はないのではないでしょうか。

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Q.患者側にはメリットがあっても普及しないということは、その分、デメリットもあるのでしょうか。

A.患者にとってのデメリットはITリテラシーが必要なことです。スマホやパソコンが必要となり、さらにそれらの操作が苦手であれば、当然、電話診療か通常の外来診療を選ぶことになります。

 実際、オンライン診療だけではなく、予約や問診を取るにもオンラインでできるようになりましたが、苦手な方は電話でするか、誰かできる人に手伝ってもらわなければなりません。

 この傾向は患者だけでなく、医療機関側にも当てはまります。現在、クリニックを開業している医師の平均年齢は約60歳と高齢化が進み、ITが苦手とおっしゃる医師も多くいらっしゃいます。

 医師だけではなく、医療機関に勤めるスタッフみなさんがITは苦手とおっしゃる傾向が多いように感じます。

 ですが、年齢問わずITが得意な方もいらっしゃいますし、開業医の代替わりも進んでいくでしょうから、この問題は時間の経過とともに解消されていくでしょう。 【次ページ】オンライン診療が普及している“ある分野”

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