- 2025/06/14 掲載
コロナ禍が暴いた「会社の本音」──社員の心が一気に離れていったワケ(2/3)
コロナ禍という異常な状態が突きつけた「問い直し」
コロナ禍は私たちに、本当はどんな生活をしたいのか、どう働き、どんな仕事をしたいのかを考え直すきっかけを与えたのではないでしょうか。ジェイフィールが実施した「人・組織・コミュニティに関わるアンケート調査」の中で、「コロナ禍を経験して、あなたの中で価値観や考え方が変わったことはありますか」という質問もしています(下図)。
「自分の考え方や価値観に変化はない」と回答した人が31.4%と最も多かったものの、
「もっと自分の時間や家族との時間を増やしたいと思うようになった」22.2%
「リモートワークでの働き方を中心にしたいと思うようになった」19.7%
と、この3つの回答が2割程度と他の項目よりも多くなりました。特に、30代では、この3つの回答が3割を超えて多くなっており、子育て世代でもあり、働く中核世代でもある30代が特に、働き方を変えたいという気持ちが強くなっている可能性があります。
逆に、次の3つの変化は他の項目よりも低くなっていました。
「社会課題に関心を向け、より社会に貢献したいと思うようになった」6.3%
「より会社に貢献しようと思うようになった」5.7%
チャレンジしたい、周囲やその先の会社、社会に貢献したいという気持ちが高まった人は相対的に少ないのですが、ただ実際にヒアリングをしてみると、ボランティアやNPOに参加したり、地域の活動に参加したりするようになったという人も増えています。外の世界との接点を持ち始めた人たちもいます。
コロナ禍は私たちに、多くの「問い直し」を突きつけたのだと思います。
職場とはどういう場所なのか、そこで一緒に働く意味はどこにあるのか、あなたは本当に何をしたいのか、会社に思い入れがあるのか……。
そもそも、あなた自身はどんな生き方をしたいのか。どこで誰とどんな暮らしをしたいのか。そう思ったときに、今いる会社は、職場は、あなたの人生を支えてくれるのか、今こそ自分の生きる場所、働く場所を自分の意思で見直すべきタイミングなのではないか……。
コロナ禍という異常な状態の中で、命、生きるということと向き合う時間は、1人ひとりにとって本当に大切な時間になったのではないでしょうか。心の中で蓋をして抑え込んでいた違和感が、距離を置いたことで溢れ出し、私たちが当たり前のように受け入れてきたことが、当たり前ではないと気づかされたとき、はじめて自分の意思で自分らしく生きる、自分の意思で生き方を選択するという思いが生まれてきた。それは、本当にすごいことなのではないでしょうか。やっと自分の人生を自分の手に引き寄せることができるようになったということなのではないでしょうか。 【次ページ】会社の“本音”が見えてしまったコロナ禍の対応
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