• 2025/06/27 掲載

“爆買い中国人”が消えた理由…なぜ1人旅が急増?まるで違う「静かな消費」が進行中

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中国人観光客数がコロナ前の水準に回復した今、驚くべき変化が起きている。都心のドラッグストアや家電量販店でよく見かけた中国人旅行客の行列は消え、日本での買い物回数は最大30%減少している。この劇的な変化の背景には、日本人が知らない“ビザ事情”の変化と、越境ECの普及による消費行動の根本的変化がある。
執筆:ITジャーナリスト 牧野 武文

ITジャーナリスト 牧野 武文

消費者ビジネスの視点でIT技術を論じる記事を各種メディアに発表。近年は中国のIT技術に注目をしている。著書に『Googleの正体』(マイコミ新書)、『任天堂ノスタルジー』(角川新書)など。

中国の最新技術とそれらが実現させる最新ビジネスをレポートする『中国イノベーション事情』を連載中。

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コロナ禍前は大きな買い物袋を提げた中国人旅行客をよく見かけたが……
(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

中国人観光客数は「コロナ前」の水準に

 中国人インバウンド旅行客が戻ってきている。2022年10月に日本へのビザ発給業務が再開され、2023年には、有効期限内であれば何回でも入国できる「数次ビザ」の発給も行われるようになった。2023年中にインバウンド旅行客の回復が始まり、2024年には7割程度に回復。2025年になるとコロナ禍以前と変わらないほどまで回復をしている。

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中国からの訪日外客数の推移。コロナ禍前と比べて、2024年は7割程度、2025年に入ってからはほぼ回復。点線はコロナ禍前の2019年のデータ
(データ出典:法務省出入国在留管理庁)


 このトレンドを捉えて、中国航空各社は2024年、2025年に東京、大阪、名古屋、福岡、那覇などへの路線の復活、新設を進めている。2025年中にはコロナ前と同水準かそれ以上も期待できる状況になってきている。

 だが実は、“人数”は同程度になったものの、中国人インバウンド旅行客の“実情”は、コロナ禍前と後で大きく違ってきている。

団体・爆買い・マナー違反……?変化する「中国人訪日客」像

 あなたは、中国人訪日客にどのようなイメージを持っているだろうか。

 以前は、集団で行動することが多く、ドラッグストアで大量に商品を購入し、レジに長い行列を作る。飲食店では大きな声で楽しみにぎやか──中にはマナー違反をする人もいて、オーバーツーリズムの問題を感じる人も多かっただろう。

 現在はコロナ禍前と同じぐらいの人数に戻っているとはいうものの、たとえばドラッグストアで中国人旅行客の集団を見かける機会は少なくなったと思わないだろうか。

 このコロナ禍前と後の変化は、統計にも表れている。

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次のページでは、各種統計資料を基に中国人旅行客の「静かな消費」の実態を解説する
【次ページ】日本人の知らない、最新の“ビザ事情”
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