- 2025/08/23 掲載
AIで消費者の本音を丸裸に!競合ゼロの市場を作りまくるユニクロの「常識破り戦略」
株式会社UNLOCK POTENTIAL/リード・ザ・ジブン合同会社CEO
ISL(Institute for Strategic Leadership)プログラムディレクター/大学院大学至善館教授。東京大学経済学部卒業。ハーバード大学ケネディ大学院修了(政策学修士)。アーサー・D・リトル経営大学院修了(経営学修士、首席)。
1985年に東京海上に入社。米国留学を経て、戦略コンサルティング業界へ。ボストン コンサルティング グループ(BCG)ではパートナー、組織プラクティスの日本の責任者を務め、Organization Practice Awardを受賞。その後、シグマクシスを経て、2012年から2016年の間、ファーストリテイリングの経営者育成機関FRMIC担当役員を務めた。
その後アクセンチュアの人材組織変革プラクティスのジャパン全体の責任者を経て、リード・ザ・ジブンを起点にした人材組織変革を手掛けるUNLOCK POTENTIAL(「人と組織の可能性を解き放つ」の意味)を設立。デジタルトランスフォーメーションにともなう人材組織変革、経営者人材育成、経営チーム変革、組織風土変革、新規事業創出等のコンサルティングおよび研修・講演を行なっている。
ユニクロが他ブランドと一線を画す“最大の特徴”は
ユニクロが他のアパレルブランドと一線を画している最大の特徴は、「ブルーオーシャン戦略」を追求していることです。ブルーオーシャン戦略とは、既存市場(レッドオーシャン)での血で血を洗う競争を避け、競争のない新市場(ブルーオーシャン)を自ら創造する戦略です。「服を変え、常識を変え」という部分は、まさにイノベーションを起こすことを意味しています。従来の服の概念を覆し、テクノロジーの力で新たな価値を生み出す。成熟したアパレル業界に産業革命を起こして、世の中の人々の暮らしをより豊かにする。それがユニクロの商品戦略の本質です。
ヒートテック、フリース、ウルトラライトダウン、エアリズムといった商品は、いずれも従来の常識を覆し、新たな市場を創造した例です。これらの商品は、単なる「機能性アイテム」ではなく、人々のライフスタイル自体を変えるほどの影響力を持っています。
今までの服の常識を変えることで新たな市場をつくれば、競合もいません。高い成長も高い利益率も享受できます。ユニクロがすごいのは、このようなブルーオーシャン戦略を継続的に成功させている点にあります。フリースの後にヒートテック、ウルトラライトダウン、エアリズムなど、常識を変える商品を次々と世に送り出しています。
これらの商品に共通するのは、「衣類に機能を持たせる」という革新的な発想にあります。実は、アパレル業界にはユニクロが機能性衣類を販売するまで、「衣類で快適性をつくり出す」という発想はほとんど存在していませんでした。発想自体が手つかずだったわけです。この斬新なアイデアは、「まだどこも目をつけていないこと」かつ「製品化すれば高い需要が見込めること」という、ブルーオーシャン戦略の成功に必要な要素を見事に満たしていたのです。 【次ページ】ユニクロは消費者の“〇〇〇ニーズ”に着目している
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