- 2025/09/18 掲載
ホリエモン、NewsPicks、報ステ…評価真っ二つのジャングリア、迎えている「新局面」(3/3)
“熱狂”はわずか2週間、注目度「100→8」の現実
以上が、開業当初のジャングリアをめぐるメディア状況である。賛否両論ともいえる状態だが、メディア報道が過熱していたことは間違いない。ただ、こうした報道が世間を賑わせたのも、開業からわずか2週間程度にすぎなかったのだ。
ネット上の検索注目度を見ることができる「Google トレンド」でジャングリアを検索してみた。すると、開業日の7月25日には注目度が「100」だったのが、2週間後の8月8日には、その注目度は開業以前と同じ程度の「8」前後に落ちている。
新聞やニュース、一部のネット媒体での報道を横断検索できる「G-search」でも調べてみた。すると、開業前後はかなりの件数がヒットする。たとえばオープン初日の7月25日は113件で、翌日26日は75件である。しかし、それ以後は1週間後あたりから1日10件に満たない件数になる。
Google ニュースでの検索結果も集計してみたところ、開業2週目の8月8日あたりまではいくつかのニュースが連日出ていたが、それ以降は話題があるときにニュースが出ている、という結果であった。
事実、これをお読みの方も、開業当初はさまざまな情報が入ってきていたが、現在はあまり情報を聞かなくなった……という方も多いのではないだろうか。
ジャングリアはこの2カ月足らずで新しいアトラクションをオープンさせていたり、新たな種類のチケットを販売していたりするが、そうした情報の浸透具合も薄いはずだ。
ジャングリアが迎えている「新局面」
一方で興味深いのは、このように関心が薄れるにつれて、好感度には上昇が見られる点だ。ヤフーでは「Yahoo!リアルタイム検索」といって、Xなどでの検索、およびそのポストが対象に対して好意的か否定的かのパラメーターを見ることができる。8月3日~9月2日において、ジャングリアを検索している人の中で好感的なツイートは75%、否定的なツイートは25%という割合になっている。8月3日~5日の間だと、否定的な意見が47%であり、それ以降は否定的な意見は減り、肯定的なツイートが増えてきている。
推測ではあるが、先ほど述べた、パーク未体験者も含めた否定的意見が徐々に少なくなり、それとともにパーク自体の運営も円滑になることでパーク体験者の満足度も上がり、全体としてジャングリアの好感度も上がってきているのではないか。
事実、現在ジャングリアの待ち時間を調べてみると、かなりのアトラクションが開業当初よりも短い待ち時間で体験できることができ、プレミアムパスを購入していなくてもある程度パークが楽しめるようになっている。
また、開業から時間が経つにつれて、ジャングリア沖縄自体を、その設立の狙いまで含めて包括的に分析した記事やニュースなども増えてきたことも、こうした好感度に関係していると思われる。
たとえば、マーケティングコンサルタントの西山 守氏は、ジャングリア沖縄が沖縄北部観光の1ピースであり、沖縄の状況を合わせて包括的に考えるべきだと書く。また、ジャングリアがテーマパークとしては少なめの「700億円」という予算で運営されていることに触れて、TDLやUSJと比較することが、あまり意味のない比較であるとする声もある。
一方、日本遊園地学会会長の塩地氏も、一貫して否定的な論調ではあるものの、客数や収支についてのデータをベースにした提言や予測を行っており、これらの俯瞰的分析が少しずつ浸透してきたと見ることもできる。
「客の満足度」と「収支」のバランス
本連載の筆者は「ある程度アトラクションに乗れることができれば、とても楽しいのではないか」と述べた。そして、開業当初は、その方法として「プレミアムパスに課金する」ことがあった。しかし、開業から2カ月を迎える現在、もし客足が落ちていてパークが空いているのだとすれば、逆にパークに訪れた人の満足度は上がる。
とはいえ、それはパークとして収支を合わせることができる客足なのかどうか。その辺りのバランスを維持するのも重要だ。
いずれにしても、ジャングリアの話題が下降気味であることは間違いない。
開業当初はさまざまな要素が絡み合い、(実態のないものも含む)批判的論調が展開されたが、それが落ち着いた今、ジャングリアの真価が明らかになっていくだろう。
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