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  • 2026/01/28 掲載

22歳で人気1位に…原哲夫が語る『北斗の拳』連載中の裏事情、驚きの年収事情も?

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1980年代、「週刊少年ジャンプ」は空前の黄金時代を迎え、多くの名作を生み出した。その中心で圧倒的な人気を誇り、週間少年ジャンプNo.1作家として時代を牽引していたのが原哲夫氏だ。代表作『北斗の拳』は、どのような道のりを経て誕生したのか。漫画家を志すきっかけとなった劇画村塾での学び、初連載『鉄のドンキホーテ』の打ち切り、そして運命を変える編集者との出会い──。ジャンプ黄金期を支えた原哲夫氏に、『北斗の拳』誕生までの秘話を聞いた。今なお、語り継がれる伝説的作品の裏側に迫る。
聞き手・執筆:エンタメ社会学者 中山 淳雄

エンタメ社会学者 中山 淳雄

東京大学大学院修了(社会学専攻)。カナダのMcGill大学MBA修了。リクルートスタッフィング、DeNA、デロイトトーマツコンサルティングを経て、バンダイナムコスタジオでカナダ、マレーシアにてゲーム開発会社・アート会社を新規設立。2016年からブシロードインターナショナル社長としてシンガポールに駐在し、日本コンテンツ(カードゲーム、アニメ、ゲーム、プロレス、音楽、イベント)の海外展開を担当する。早稲田大学ビジネススクール非常勤講師、シンガポール南洋工科大学非常勤講師も歴任。2021年7月にエンタメの経済圏創出と再現性を追求する株式会社Re entertainmentを設立し、大学での研究と経営コンサルティングを行っている。『推しエコノミー「仮想一等地」が変えるエンタメの未来』(日経BP)、『オタク経済圏創世記』(日経BP)、『ソーシャルゲームだけがなぜ儲かるのか』(PHPビジネス新書)など著書多数。

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漫画家
原哲夫(はら・てつお)氏
1961年9月2日生まれ、東京都渋谷区出身。漫画家。高橋よしひろ氏のアシスタントを経て、小池一夫氏主催の劇画村塾にも参加。1982年に『鉄のドンキホーテ』で週刊少年ジャンプにて連載デビュー。1983年より武論尊氏とタッグを組み、『北斗の拳』を連載開始し大ヒットを記録。80年代のジャンプを代表する作品となり、アニメ化や映画化も複数回実現した。1990年代以降は『花の慶次 ―雲のかなたにー』や『蒼天の拳』など多彩な作品を手掛ける。漫画家としての活動の他、コアミックスの設立に関わり、取締役として版権管理やアニメ制作にも携わる。

有名作家を多数輩出、小池一夫の劇画村塾で学んだ“あること”

──原先生は1980年に高校を卒業されて、小池一夫さん(1936~2019年、『子連れ狼』『ゴルゴ13』の原作など)が1977年から開いていた「劇画村塾」の第3期生(1981年入学)として入塾されます。ちょうど原先生は、高橋よしひろ先生(1953~、1983年から『銀牙 ─流れ星 銀─』を連載)のアシスタントをやられていた時期だと思いますが、何がきっかけで入塾されたのでしょうか?

原哲夫(以下、原)氏:ちょうど塾生を募集していたんですよ。受講料はギリギリ自分でも払える額で、週2回1時間くらいの講義を聴くだけでした。仕事の合間に1年くらい通っていました。

 アシスタントをしながら劇画村塾に通うことに関して高橋先生はOKと言ってくれていましたが、先輩たちからは「俺らは締切前で徹夜仕事してるのにアイツは…」なんて風に文句を言われていましたね…。1年目のアシスタントなのに生意気だとかね(笑)。

──劇画村塾の同期には、山本直樹さん(1960年~、『Blue』など)や堀井雄二さん(1954年~、『ドラゴンクエスト』シリーズ生みの親)、加藤賢崇さん(1962年~、俳優・タレント・ミュージシャン)などがいます。この塾からは、さまざまなジャンルで活躍する人が輩出されていますよね。

原氏:当時は、お互いのことを全然知らなかったんですよ。堀井雄二さんには、孫正義さんが開く食事会で初めてお会いました。48~49歳くらいのときのことです。

 孫さんが小池先生のマンガが好きで、もともと親交があったこともあって、その縁で池上遼一さん(1961年~、『男組』『トリリオンゲーム』など)、堀井雄二さん、僕の3人が呼ばれました。

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──劇画村塾での学びはどうでしたか?

原氏:当時、僕は絵を描くこと自体は好きでしたが、描きたいストーリーがあるわけではありませんでした。いつだって、ブルース・リー(1940~1973年、俳優)とか、水谷豊(1952年~、俳優)とか、とにかく俳優に夢中で、そういう俳優たちをキャラクターとして描きたいなと思っていたくらいでした。

 その当時、僕が好きな俳優に似ているキャラが登場するマンガはほとんどありませんでした。そのことが、後の僕の作品につながっていくわけです。

 そういうモヤモヤした時期に耳にした、劇画村塾の小池先生の一言は僕にとって大きかったですね。「マンガはキャラクターである」と授業の中で言いきってくれたんです。

 「マンガのストーリーって覚えている? 正直、キャラクターが何をしたか、しか覚えてないでしょ? つまり、キャラクターが引き立ってさえいれば、それはマンガになる」とね。もう、そのひと言を聞けただけで、劇画村塾に入った甲斐があったと思いました。

 小池先生の語られていた「キャラクターを立てる」というのが、最初はどういうことか正直わからなくて、ただ「こういうキャラを描きたい」ということだけが僕の中にありました。劇画村塾の小池先生が言うように、キャラクターだけで勝負してもいいなら、やっていけるかもしれないってね。

『Dr.スランプ』も抜いた? 初作『鉄のドンキホーテ』の秘話

──原先生にとって、最初の連載作品が始まるのは、いつ頃だったのでしょうか?

原氏:最初は『鉄のドンキホーテ』(1982~1983年、週刊少年ジャンプ)ですね。担当編集の堀江信彦さんが「モトクロス(モーターサイクル)がこれから流行るから」と言うので、それをテーマにしたマンガを描き始めたんです。

 描きたいものだったわけじゃないけど、僕としてはデビューさえできればいいと思っていましたから。こんだけいいキャラを描けていればトップをとれると思っていましたしね。

 今振り返ってみたら、堀江さんが「流行る」と言って、当たった試しがないんですよ(笑)。モトクロスも結局流行らなかったし(笑)。

──『鉄のドンキホーテ』の結果はどうだったんですか?

原氏:6話目のときに10週打ち切りだって言われました。本当は2話の段階で打ち切りは決まっていたみたいなんですが…。

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(C)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983
 その話を打ち明けられたときに堀江さんが持ってきたのが『北斗の拳』(1983~1988年、週刊少年ジャンプ)の原型となるアイディアでした。

 当時、僕は中国拳法をテーマにマンガが描きたいとずっと言っていたんです。それで堀江さんが古書店で「経絡秘孔(『北斗の拳』に登場する、人体にさまざまな変化を起こすことのできるツボ。そこに突き入れた指から気を送り込むことで効果を発揮する)」のアイディアにつながる本を見つけてきてくれた。僕がずっと描きたかったブルース・リーと松田優作をベースとした主人公で描こう、ということで決まったんです。

 『鉄のドンキホーテ』は、打ち切りになるまで人気は徐々に上っていたし、最終的には『Dr.スランプ』(1981~1986年、週刊少年ジャンプ)よりも人気ランキングで上にいっていたと堀江さんに聞いたから、結構いい線いっていたと思うんですけれどもね。

『北斗の拳』原作が武論尊氏になった理由とは

──『北斗の拳』は、ジャンプの中では期待の新作という感じだったのでしょうか?

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