- 2025/09/18 掲載
ホリエモン、NewsPicks、報ステ…評価真っ二つのジャングリア、迎えている「新局面」(2/3)
疑惑・酷評・陰謀論「炎上3点セット」が出揃っていた
どのような施設であっても、ある程度の批判はつきものである。特にSNS時代ともなればなおさらだ。ただ、ジャングリアの場合、運営元の親会社である「刀」、およびその代表取締役である「森岡 毅氏」の存在感が大きすぎた。言い換えれば、「ジャングリアを叩ける」要素が出揃いすぎたのだ。
開業直前、ニュースメディア「NewsPicks」によって、ジャングリア運営の親会社である刀の会計上の疑惑が大々的に報じられた(なお、この疑惑については森岡氏および刀が否定している)。
この一連の報道の中で、刀の最終決算が赤字だったこと、さらに刀が手掛けていた東京・お台場のテーマパーク「イマーシブ・フォート東京」や、それ以外の刀が手掛けた施設が奮っていないことなどについても触れられている。
これが大きな反響を呼び、これまで「マーケの神様」として崇められていた森岡氏への批判的意見が噴出した。半ば、反動的ともいえる。
そんな批判的な雰囲気の中、開業したジャングリアに訪れた人の酷評が加わる。そうなれば、もはや叩きたい放題である。
そんな“炎”にさらなる油を注いだのが、7月28日に発生した「Googleレビュー削除問題」。Google上で書き込まれたジャングリアのレビュー(中には酷評も多かった)が大量に削除され、それが「運営会社によるものではないか」という、半ば陰謀論に近い意見が出回った。
これはGoogle側のアルゴリズムによる偶発的な出来事で、どちらかといえば刀側も被害者なのだが、一度「ジャングリア叩き」の勢いがついたネット世論はこれでさらに火がつくことになる。
ホリエモン絶賛、報ステも特集──完璧なPRの「落とし穴」
こうした否定的意見があった一方、肯定的意見も開業当初から見られた。代表的なものが、実業家である堀江 貴文(ホリエモン)氏によるものだろう。ジャングリア開園直後の7月28日、氏は自身のXでジャングリアを楽しんでいる様子を投稿。その後も、NewsPicksの動画などで、ジャングリアについての肯定的な評価を行っている。
ジャングリア普通にめちゃくちゃ楽しいんですけど、なんであんなに批判されてんだろ。 pic.twitter.com/iUMe41VJDR
— 堀江貴文(Takafumi Horie、ホリエモン) (@takapon_jp) July 28, 2025
ホリエモン氏以外にも、インフルエンサーらが自身のSNSなどで肯定的な評価をアップしており、さらには、大手メディアも積極的に特集を組んだ。
たとえば、テレビ朝日の報道ステーションでは、目玉アトラクション「ダイナソーサファリ」で、人が恐竜に食べられている様子が生中継され、大きな話題を呼んだ。
一方、こうした、いわゆる「メディア」(情報の影響力という意味では、個人のインフルエンサーも含む)がしきりにジャングリアを取り上げ“称賛”したことは、逆に否定的意見を勢いづける結果にもなった。
特に開業直後のパークは、有料のプレミアムパスがなければアトラクションに乗ることもできず、一般人にとっては、炎天下の中で地獄のような待ち時間を体感しなければならなかった。にもかかわらず、メディアやインフルエンサーは待ち時間無しでパークを体験し「楽しい」と報道していることが、多くの人を苛立たせたわけである。

そんな中で、ジャングリアは、こうした「権威ある」発信元をうまく使いすぎた。
PR戦略コンサルタントの下矢 一良氏らも指摘しているように、ジャングリアのPR戦略は「旧来の意味ではパーフェクト」であった。しかし、もはやこうしたPR戦略そのものが異なるフェーズに入りつつあるのかもしれない。 【次ページ】“熱狂”はわずか2週間、注目度「100→8」の現実
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