- 2025/12/03 掲載
Deep Research活用の「最強文章術」、読者を惹きつける「7つのプロット」(2/3)
文章が無味乾燥にならないための「7つの調査」とは
Deep Researchは大きく分けて2つの機能がある。1つは徹底的に深掘りして調べる調査機能。もう1つは、調査結果を最終的にまとめて文書化する作文機能だ。Deep Researchを使いこなすには、前半の調査機能を正しくハンドリングできる必要がある。それには調査の方法論を知る必要がある。何か調べるとき、直接的な対象ばかり調べても意味のあるレポートにはならない。単に情報が多いだけ、細かいだけの無味乾燥な文書になる。
良いビジネスレポートや記事は、幅広く立体的な視点が不可欠だ。世の中全体の状況(マクロ環境)や、ユーザー層や構造が似ている隣接分野など広い視点を持たないとならない。これを横方向の分析とすると、縦方向は時間軸の分析だ。過去の歴史的経緯や、未来につながる新しい技術やムーブメントを調べる。この縦横両方向に広がりのある「立体的」な調査が、読む人の興味関心を呼び覚ます良いレポートや良い記事の基盤となる。
この立体的調査を行うため、以下の7つの調査を実施するようにしよう。
■1.マクロ環境
まず世の中全体の動きを見る。政治、経済、社会、技術、法規制、環境といった 要因が人々の消費行動や政治行動や自己表現に必ず影響するからだ。上記の6つの要因を体系的に調査する「PESTLE分析」※が一般的だ。
(※PESTLEはPolitical(政治)、Economic(経済)、Social(社会)、Technological(技術)、Legal(法律)、Environmental(環境)の頭文字)
■2. 対象市場や環境を定量化
調査対象がどんな市場に位置するのか、もしくはどんな文化を背景にしているのか。ビジネスレポートなら総売上額などの「市場規模」などのデータが必要だし、文化論的記事なら、どんな市場ムーブメントがあるかの調査をして、定量的な(=数字で表せる)データにする必要がある。
■3. 隣接分野からの学び
直接の対象市場だけでなく、隣接する分野の動きや成功パターンも調査する。他分野の動きが、今後影響して対象分野の未来を変えていく可能性がある。
■4. 競合調査
同じ市場や同じ消費者を対象にした「直接競合」は何か見定めて、機能比較やコスト比較、さらテーマとする対象と競合の構造や構成を分析して強みや弱みを明確にする。
■5. ユーザーの課題とインサイト
ユーザー(消費者やファン)が本あら当に解決したい課題は何か。表面的なニーズではなく、根本的な欲求を探る。
■6. 歴史的視点
過去から現在までの推移を調査し、成長要因や、いつどこが進化したのかを調べる。
■7. 未来予測
将来ロードマップや第三者の未来予測を調査。さらに1~6の調査から見えてきた将来像を楽観・中立・悲観の3パターンで予測する。
読む人に「面白い」と感じさせる「7つのプロット」
調査が済んだら、それを元に読む人に「面白い」「価値がある」と感じさせるレポートや記事にまとめよう。どうすれば面白い文書になるのか?事実を並べるだけでは良い文書にならない。点と点を繋げて1つのストーリーラインを作ることで読み手の関心や理解度が大きく高まる。こうした「語りの構造」を設計する手法がナラティブであり、そのためのプロット(構成)にも成功パターンがある。
■ビジネス文書向けプロット
- 問題解決型(最も汎用的) 現状認識 → 問題の本質 → 解決の方向性 → 具体的施策 → 期待効果 → 実行計画
- 機会提示型(前向きな提案に) 市場の変化 → 新たなチャンス → 競合の動き → 自社の優位性 → アクションプラン → 期待される成果
- 比較検討型(意思決定を促す) 選択肢の提示 → 評価基準の設定 → 各選択肢の分析 → メリット・デメリット整理 → 推奨案 → 選択理由
- 意外性発見型(読者の興味を引く) 常識・一般認識 → 違和感や疑問 → データによる実態 → 意外な真実 → 背景要因の分析 → 今後の展望
- 時系列進化型(変化を見せる) 過去の状況 → 転換点の発見 → 変化のプロセス → 現在の到達点 → 変化の要因分析 → 未来への示唆
- 対比構造型(違いを際立たせる) AとBの紹介 → 表面的な類似点 → 本質的な相違点 → それぞれの強み・弱み → 選択のポイント → 使い分けの提案
- 事例ストーリー型(共感を呼ぶ) 具体的な事例紹介 → 直面した課題 → 試行錯誤のプロセス → 解決への道筋 → 得られた知見 → 一般化と応用
■記事・コンテンツ向けプロット
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