• 2026/06/10 掲載

【IT部門責任者向け】ガートナーが警鐘、2028年までに「組織変革」できないとクビ?(2/3)

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ステップ2:Windows依存に特大リスク、戦略に必要な「整合性」とは

 2024年7月、あるセキュリティベンダーが不具合のあるアップデートを配信し、800万台以上のWindowsデバイスでブルースクリーンが発生した事例は、画一的な戦略の危険性を示している。

 Windowsにのみ依存していた組織は大きな影響を受けたが、多様なプラットフォームを採用していた組織は影響を最小限に抑えることができた。

 ガートナーの調査によると、明確なデジタルワークプレース戦略を策定している組織の割合は、レベル1では61%だが、レベル2で92%、レベル3以上では99%に達する。組織のレベル感と戦略策定実施の割合は比例しているということだ。

 しかし、戦略を持つだけでは不十分だ。

 重要なのは、そのデジタルワークプレース戦略が組織全体のビジネス戦略と整合しているかどうかである。ビジネスと整合したデジタルワークプレース戦略を持つ組織の割合は、レベル1ではわずか2%に過ぎないが、レベル3で51%、レベル4・5では93%に上昇する。

 では、ビジネスと整合した効果的な戦略とはどのようなものか。

 ガートナーは以下の4つの特性を挙げる。

  1. 生成AIのように予測困難な技術の登場に対応できる柔軟性
  2. 従業員エンパワーメント(権力と自信)への注力
  3. 費用対効果(コストパフォーマンス)の高さ
  4. IT部署内外からフィードバックを取り入れる姿勢

 特に重要なのは従業員中心であることだ。

 従業員中心の戦略を持つデジタルワークプレース組織は、そうでない組織より成熟度スコアが52%高いというデータもある。

ステップ3:組織改革の核心「インプルーブメント機能」とは

 「組織設計と運用モデルの近代化」が3つ目のステップだ。

 エンドユーザーサービス部門は技術ごとにサイロ化(情報や技術が部署内で完結し、組織の資産になっていない状態)され、PC管理チーム、メールチーム、モバイル管理チームなどがバラバラに運営されている。

 そして従業員を「提供されたサービスを使うしかない立場」と見なしているため、積極的な改善はせず、苦情やリクエストに事後対応するだけだ。

 一方、デジタルワークプレース組織では、技術単位ではなく、従業員が受け取るサービス単位でチームを編成し、フィードバックを重視してサービス改善に活用する。

 組織構造も段階的に進化し、最終的にはエンジニアリング、オペレーション、ガバナンス(社内統制)、イネーブルメント(従業員支援)という機能別の組織に再編成される。

画像
イネーブルメント機能が従来型IT部門との大きな違い
(出典:ガートナー(2025年8月))

 特に重要なのは、イネーブルメント機能の追加だ。

 イネーブルメントとは、「従業員が自立して継続的に成果を出せる人材育成・環境づくりのこと」であり、ここではデジタルツールを使いこなせるように支援することだ。

インプルーブメント機能の具体例
  • 従業員コミュニティの運営
  • DEX(デジタル従業員エクスペリエンス)戦略の管理
  • デジタルインフルエンサー(技術に詳しい社員)のネットワーク構築
  • 社員のデジタルスキル向上支援

 ウィルソン氏は「ほとんどの組織は運用、エンジニアリング、ガバナンスは備えているが、イネーブルメント機能を持つ組織は少ない」と話す。

 この機能の不在が、戦略的移行への障害となっている。 【次ページ】ステップ4:見えないボトルネック「DEX」にフォーカスする
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