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- 2026/06/08 掲載
SakanaAI、AIがAIを進化させる「再帰的自己改善」のRSI Labを東京設立
日本のAI主権確率と限られた計算資源でAI性能の向上を目指す
SakanaAIが再帰的自己改善「RSILab」を東京に設立
Sakana AIが新たに立ち上げた「RSI Lab」は、人工知能の開発プロセスそのものを再設計し、自己改善能力を体系的に研究および実装するための専任チームである。再帰的自己改善(RSI)とは、AI自身が自らのアーキテクチャやコードを書き換え、性能を自動的に検証しながら、継続的に改良していく仕組みを指す。同社はこれまで、オックスフォード大学およびケンブリッジ大学との共同研究「LLM-Squared」や、ブリティッシュ・コロンビア大学との「The Darwin Godel Machine」などを通じて、AIが自律的に性能を改善する技術の基礎を構築してきた。また、研究の着想から査読までを完全に自動化する「The AI Scientist」や、少ない試行回数で複雑な最適化問題を解く「ShinkaEvolve」など、多様な実績を積み重ねている。これらの研究成果の根底には、計算資源の物量に頼るのではなく、アイデアと計算効率の高さを追求して進歩を遂げるという同社独自の姿勢が貫かれている。現代のAI研究は巨大な計算基盤を保有する一部の企業や国家に集中しているが、Sakana AIは日本の計算資源が世界の巨大クラウド事業者には及ばないという現実的な制約を、逆に設計上の優位性に変えることを企図している。
同社は東京にRSI Labを設置することで、日本政府が推進するソブリンAIの国家戦略の支援を背景に、限られた資源の中で最大の効果を発揮する自己改善技術の開発を進める。同社の開発ロードマップでは、エージェント用途に特化したモデルの開発から始まり、自己改善の段階を経て、最終的には計算規模で劣る国や組織でもそれぞれの課題に必要なAIを独自に構築できる「AIの民主化」の実現を目標に掲げている。
同時に、自律的な自己改善の過程で伴う想定外の動作や安全上のリスクに適切に対処するため、失敗した事例も含めて研究結果を透明性をもって公開し、初期段階から検証可能な安全策をシステム設計に組み込む方針を明言した。この目標の実現に向けて、RSIの新たな理論を開拓するリサーチサイエンティストと、大規模な分散計算環境や自動コード生成の仕組みを構築するソフトウェアエンジニアの採用活動を開始し、専任チームの体制強化を図っている。
Transformer論文のライオン・ジョーンズ氏も在籍、SakanaAIは、なぜ東京から世界を目指すのか?
SakanaAIが、「RSI Lab」を東京に集約し、日本から世界を目指す背景には、共同設立者たちの運命的な出会いと、現在のAI業界が抱える構造的課題への強い危機感がある。共同設立者の一人であるライオン・ジョーンズ氏は、現在の生成AIの基盤である「Transformerアーキテクチャ」を発表した歴史的論文『Attention Is All You Need』の共同著者でもある。ジョーンズ氏は2020年に東京・渋谷のGoogleオフィスへ異動した際、当時Google Brainの日本チームを統括していたデイビット・ハ氏と席が近くなったことで技術的対話を深めた。
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