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- 2026/06/16 掲載
【DXの現在地】無視できない“中小と大企業の溝”…企業が抱える構造的な壁とは
連載:第4次産業革命のビジネス実務論
アルファコンパス 代表CEO
中小企業診断士、PMP(Project Management Professional)
1990年3月 早稲田大学大学院修士課程(機械工学)修了。同年に東芝に入社後、製造業向けSCM、ERP、CRMなどのソリューション事業立ち上げに携わり、その後、インダストリアルIoT、デジタル事業の企画・マーケティング・エバンジェリスト活動などを担うとともに、オウンドメディア「DiGiTAL CONVENTiON」の立ち上げ・編集長などをつとめ、2024年に退職。
2020年にアルファコンパスを設立し、2024年に法人化、企業のデジタル化やマーケティング、プロモーション支援などを行っている。
主な著書に『デジタル・プラットフォーム解体新書』(共著:近代科学社)、『デジタルファースト・ソサエティ』(共著:日刊工業新聞社)、『製造業DX: EU/ドイツに学ぶ最新デジタル戦略』、『製造業DX Next Stage: 各国/地域の動向やAIエージェントがもたらす新たな変革』(近代科学社Digital)がある。その他Webコラムなどの執筆や講演など多数。2024年6月より現職。
企業は自分たちのDXをどう評価している?
2025年単年の全体的な傾向として、自己診断結果を提出した分析対象である1,164件の企業の現在値の分布をみると、社内でDX推進がどれだけ進んでいるかを示す成熟度レベルが「4以上」の企業は3%と非常に少なくなっています。
現在値の平均値の分布でもっとも多いのは「レベル1以上2未満」となっており、次いで「レベル2以上3未満」となっています。
この分布に位置する企業が約7割を占めており、企業のDX推進の取り組みは全体としてレベル1以上3未満の水準に集中していることがわかります。
これは、「散発的な取り組み」から抜け出せていない企業が多く、「全社戦略に基づく持続的実施」の段階まで達している企業が少ないことを示していると考えられます。
次に「全指標」、「経営視点指標(定性)」および「IT視点指標(定性)」の3つの分類において、それぞれの現在値と目標値の平均値の結果を分析した結果を見ていきましょう。
2025年度においては、すべての指標において目標値に達しておらず、1.5ポイント程度の差があります。
この差の原因は経営とITの両輪が揃っていないため、目標と現状のギャップがどちらも1.5ポイント程度開いたままになっていると思われます。
目標を達成するための「DXのための経営の仕組み」と「その基盤としての ITシステムの構築」を両輪として、DXを推進するための目標策定とアクションの実行を進める必要があるのではないでしょうか。
次に経営視点指標についてですが、現在値と目標値の平均の差が最も大きい指標の1位と2位は「評価」と「投資意思決定、予算配分」「事業部門における人材」となっています。
「評価」と「投資意思決定、予算配分」の指標はDX推進指標の構成の中で、仕組みのうち「マインドセット・企業文化」にあたるものです。「KPIが曖昧 → 評価できない → 投資判断が属人的になる → IT投資の評価が困難」という悪循環に陥っている可能性が考えられます。
DXのためにKPIに沿って評価する仕組みを整え、これを従業員の行動変容へと結び付けることに難しさや課題を抱えている企業が多いことが想定されます。
現在値と目標値の平均の差が最も小さいものは「事業への落とし込み」であり、次いで、「持続力」となっています。
IT視点指標において、現在値と目標値の平均の差が最も大きい指標は「IT投資の評価」となっています。
これはIT投資とビジネス価値が連動しているかを評価する指標ですが、その背景には、経営視点指標である「評価」や「投資意思決定・予算配分」の仕組みの未整備と、「IT投資の評価」の難しさが相互に関連している可能性があります。
たとえば、投資評価の仕組みが十分でない場合、投資意思決定や予算配分が経営層の感覚に拠ることになり、その結果、投資の成果や失敗を客観的に評価することが難しくなることがあります。
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