- 2026/07/29 06:40 掲載
【完全ガイド】申請しないと大損…?「リスキリング助成金」を確実に受給する全手順
【要点まとめ】30秒でわかる…リスキリング助成金
時間がない方のために、本助成金の最重要ポイントを5つにまとめました。- 中小企業は研修費が最大75%助成(大企業は最大60%)
- 研修中の賃金も助成対象(中小企業は1人1時間あたり1,000円、大企業は500円)
- 生成AIやDX、データ分析研修も条件次第で対象となり得る
- 原則として「訓練開始前」までに計画届の提出が必要
- 助成金は「後払い」(企業がいったん費用を負担し、審査を経て支給)
【対象条件】助成金の対象となる企業・労働者
一般的に「リスキリング助成金」と呼ばれている制度の正式名称は、厚生労働省が管轄する「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」です。企業が新規事業の立ち上げ、DX化、GX(グリーントランスフォーメーション)化、あるいは業務転換に伴い、従業員に新たな分野で必要となる知識・技能を習得させるために研修(OFF-JT)を実施した場合に、訓練経費の一部と期間中の賃金の一部を助成する仕組みです。
- 目的:企業の「事業展開」「DX化」「GX化」「配置転換」に伴うリスキリングを支援
- 経費助成:研修にかかった費用(受講料等)の最大75%を助成(上限あり)
- 賃金助成:研修時間中に支払った賃金の一部(1時間あたり最大1000円)を助成
助成金の申請主体は「個人」ではなく、あくまで「事業主」となります。
■対象企業と対象労働者の要件
| 区分 | 該当する条件 | 対象外となる例 |
| 対象となる事業主 (企業など) |
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| 対象となる労働者 (受講者) |
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従業員を雇用していない個人の学び直し(自己啓発)は本制度の対象外となり、個人向けの「教育訓練給付制度」などが別制度として該当します。また、複数企業でまとめて受講する場合でも、申請主体は原則として各雇用事業主となります(※同一コースを同時期に実施する場合は、本社で一括して申請できる仕組みもあります)。
【対象条件】助成金の対象となる研修テーマ
助成金の対象として検討できるのは、以下のいずれかに該当する10時間以上のOFF-JT(通常の業務と区別して行われる座学や研修)です。厚労省による事前の認定講座リストなどは存在せず、一社一社のカリキュラムや事業との関連性が個別に審査されます。- デジタル・DX化に伴う訓練 → AI活用、データ分析、ITツール導入、セキュリティなど
- 事業展開に伴う訓練 → 新規事業の立ち上げ、新分野への進出、大きな業態転換
- グリーン・GX化に伴う訓練 → 脱炭素ビジネス、省エネ技術の導入、環境配慮型設計
- 人事・人材育成計画に基づく訓練(計画型訓練) → 配置転換に伴う新たな職務の訓練
この対象となり得る4つの研修テーマは、具体的にどのようなことを指すのでしょうか。詳しくは下記の資料にそれぞれまとめられています。
■研修テーマ1:「デジタル・デジタルトランスフォーメーション(DX)」とは…
【対象条件】助成金の対象となる研修の具体例
たとえば、以下のような研修が対象となる可能性があります。自社の経営課題に合わせて最適な内容を検討することが可能です。-
■対象となり得る研修の例
- 生成AI・Copilot活用研修
プロンプトエンジニアリングや、Microsoft 365 Copilotを活用した業務効率化 - AIエージェント・BPR研修
AIを活用した業務プロセスの自動化・再設計、自社専用AIツールの開発演習 - データ分析・BIツール研修
PythonやPower BIを用いたビジネスデータ分析、スクレイピング - サイバーセキュリティ研修
社内インフラを守るためのセキュリティ基礎、脆弱性対策 - クラウド・インフラ研修
Amazon Web ServicesやAzureを活用したクラウド環境の構築・運用
生成AI研修は、事業展開やDXとの関連性、職務関連性を説明できる場合に対象となる可能性があります。 ただし、「ChatGPTの使い方を学ぶ」といった、名称や表面的なテーマだけで自動的に一律支給されるわけではありません。労働局の審査をクリアするためには、以下の「3つの関連性」を客観的に説明できる必要があります。
(1)経営課題・事業展開
自社のどのようなDX施策や業務効率化を目指しているか
(2)必要な専門スキル
プロンプト構築、AIエージェント開発、BPR(業務再設計)など
(3)従業員の将来の職務
受講した従業員が、今後どのような新しい業務に従事するのか
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■審査における訓練内容の考え方
- 対象となり得る例:
「営業部門のDX化(事業展開)に伴い、営業スタッフに生成AIを用いた高度なプロンプト構築とデータ分析手法を習得させ、AIを活用したデータ駆動型の営業企画・マーケティング業務(将来の職務)に従事させる」 - 対象外と判断されやすい例:
「全社的に流行しているから、全社員一律でChatGPTのログイン方法と、一般的な文章要約やメール作成のやり方だけを短時間で学ぶ」
生成AIを「単なる便利ツール」としてではなく、「自社のDXやビジネスモデル変革のためのコア技術」として位置づけ、研修後にその従業員が就く職務まで一貫して設計されているかどうかが、判断の大きな分かれ目となります。
【NG条件】助成金の対象外となる研修テーマ
リスキリング助成金には、カリキュラムの内容や実施方法において、助成対象外と判断されやすい類型があります。これらを避けて計画を立てることが重要です。-
対象外となりやすい研修の類型
- × 社会人一般の基礎知識に関するもの(ビジネスマナー、一般的なPCの基本操作など)
- × 通常の事業活動と切り分けられないもの(社内会議、展示会の見学、オンラインサロンの聴講)
- × 研修を行わずに受けさせる資格試験の受験料
- × 法令で実施が義務付けられている講習(安全衛生教育など)
- × 意識改革研修
- × リーダーシップ研修
- × 管理職としての心構えや、一般的なマネジメント理論のみを扱う研修
- × 研修時間中に「自社の実際のホームページや業務ツール」など、実務の成果物を作ってしまう内容
特にDX文脈で注意したいのは、「Excelの簡単な関数やWordの使い方」といった初歩的なアプリ操作研修や、研修時間中に「実際の自社実務の成果物」を作ってしまうケースです。これらは「初歩的な基礎知識」または「通常の業務活動」とみなされ、助成の対象から外れてしまう可能性が高くなります。 【次ページ】申請から給付までの流れ
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