- 2026/07/11 掲載
転職か残留か…判断に迷う人が見直すべき“本当の基準”とは何か
コーチビジネス研究所代表取締役
JEA認定シニアエグゼクティブコーチ
国際コーチング連盟(ICF)認定マスターコーチ(MCC)
新潟県出身。公的な中小企業支援機関での実務経験を経て、2003年より中小企業診断士およびエグゼクティブコーチとして活動を開始。コーチング実績5000人、セッション実績は1万時間を超えるエキスパート。経営者・リーダーの意思決定と人間的成熟に深く関わる実践を重ね、現場経験を通じて得た「問い」と知見を、研究・教育として社会に開くため、2014年にコーチビジネス研究所(CBL)を設立。日本エグゼクティブコーチ協会の会長を務め、現在は名誉会長。主な著書に『コーチング思考』(マネジメント社)、『コーチング・ビジネスのすすめ』(合同フォレスト)、執筆に「社長の想いを軸にするパートナー型コンサルティング」「伴走支援とコーチング」(『企業診断』同友館)など。
中編はこちら(※この記事は後編です)
「仕事に意味を見出せない」人が、まず見直すべきこと
「どの会社に勤めるか」キャリアは、こういった“外側の条件”で語られることが多いものです。しかし、本来のキャリアとは“人生の問い”にどう向き合い、どのように生きていくかという、内面的な旅です。
「どんな役職に就くか」
「どんなスキルを持つか」
正解のない時代において、キャリアを再設計する力は、外側の情報や環境ではなく、内側の問いの質によって決まります。
ここでは、問いがキャリアや人生の方向性をどのように形づくるのかを、段階的に探求していきます。
「本当は何がしたいか分からない」こうした悩みの根源には、問いを他者に委ねていることがあります。
「転職すべきか、今の会社に残るべきか迷う」
「今の仕事に意味を見出せない」
- 上司の期待に合わせる
- 市場価値という言葉に縛られる
- 家族の希望を優先しすぎる
- ネットの「成功法則」に惑わされる
これらはすべて「外側の答えを求めている」状態です。
キャリア迷子とは、進むべき道が見えないのではなく、「何を基準に進むのか」が分からない状態を指します。
この状態を脱する第一歩は、問いを内側に取り戻すことです。
自分らしいキャリアを取り戻すための「3つの問い」
キャリアの転機や重要な選択の背景には、必ず“核となる問い”が存在します。ここでは、キャリアを大きく動かす3つの「問い」を紹介します。
1.何をしているとき、私は最も生きている実感があるか?
これは情熱や喜びといった感覚的な軸を明らかにする問いです。
仕事に限らず、趣味や遊び、休息の時間も含めて想像してみてください。
- 時間を忘れる瞬間
- 心が開く瞬間
- 自然と力が湧く瞬間
こうした感覚の中に、キャリアの方向性のヒントが眠っています。
2.私は何のために働きたいのか?
目的が明確な人は強いです。
外側の条件がどう変わっても、揺れない軸を持てます。
- 誰に貢献したいのか
- 何の価値を提供したいのか
- どんな世界をつくりたいのか
これらパーパス(Purpose)の問いは、キャリアに意味を与えます。
パーパスとは、目標でも、理念でもない「生き方の軸」です。
ここではパーパスをこう扱います。
見つけるものではない、決めるものでもない、問い続けるものです。
その代表的な問いが「私は何のために働きたいのか?」です。この問いに対する答えは、人生のフェーズによって変わります。それでいいのです。
パーパスが分からないからといって、何かが足りないわけではありません。分からない、揺れている、その状態こそが、問いが生きている証です。
パーパスとは、人生やキャリアに一貫性を与える問いの軸です。
3.「私はどんな存在として生きたいのか?」
スキルや職種よりも、人生の満足度に直結するものがあります。
それは“どんなBeingで生きるか”です。
- 誠実さ
- 挑戦
- 創造性
- 愛
- 静けさ
- 公正さ
Beingの軸が定まると、どんな環境でも“自分であること”ができます。
この3つの問いは、キャリア再設計の核であり、読者の皆さんに最も扱ってほしい問いでもあります。
【次ページ】「年収が低いから転職したい」は、本当の理由ではない
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