- 2026/08/13 07:10 掲載
IT部門任せでは失敗する…? ガートナーが突くAIエージェント開発の“致命的な盲点”(3/3)
自社の業務はどこから自動化可能? 「4つの人材タイプ」とは
利用者:多くのデータや情報を取り込み、意思決定に役立つ洞察を得る。マネージャー、経営幹部、研究者などだ。調査エージェントや議事録作成エージェントが支援できる。
コミュニケーター:情報を取り込み、提案やニュースなどのメッセージを作成する。マーケティングや営業担当者だ。電子メール分類エージェントなどが役立つ。
コーディネーター:複数の情報源から得た情報を整理し、優先順位を付ける。プロジェクトマネージャーやケース管理者などだ。スケジューリングエージェントが支援する。
クリエイター:データや情報をある形式から別の形式へ変換する。ライターやデザイナーなどだ。文書作成エージェントやコンテンツ・ローカリゼーション・エージェントが活用できる。
企業がNCABを活用する際は、ビジネスに携わりながら技術スキルと意欲を持つ市民開発者を募り、この4タイプに基づいて評価する。それによって、どのようなエージェントを作るべきかが明確になる。
質向上&コスト削減を実現、先行2社エージェント活用術
金融調査会社Morningstarには、多数のプロジェクト提案が寄せられる。これまで人間のチームが評価と優先順位付けを行っていたが、エージェントを構築して自動化した。エージェントは事前定義された基準で提案を評価し、不足があれば提案者に質問を返す。基準を満たすまで確認を続けることで、人間の作業を削減し、デリバリーのスピードと意思決定の質を向上させた。
オンラインペット用品小売のPets at Homeでは、顧客からの返品クレームの中に詐欺的なものが含まれることが課題だった。エージェントは写真を分析し、同じ商品画像が複数のクレームで使い回されていないかを検証する。不正なクレームを除外でき、コストと収益に直接的な影響をもたらした。
IT部門主導では失敗?AIエージェント成功に導く導入プロセス
まず、すでに取引のあるベンダーが提供しているNCABツールを調べ、機能、使いやすさ、コストを比較する。既存アプリケーション内でこれらのツールを提供しているケースもある。
ただし重要なのは、ビジネス部門との連携だ。「IT部門が代わりにこれを行うことはできません」とウォン氏は強調する。経営陣が指示してIT部門が作っても、ビジネス部門が課題解決に賛同していなければ採用されない。ビジネス部門の賛同が必要だ。その上で、まずは小さく始めることがポイントとなる。初期事例でビジネスケースを構築し、価値を示す。ビジネスKPIはどう改善されるのか。最終的には大規模に推進するために、この検証が必要になる。
ウォン氏はROE(従業員利益率)の考え方も重要だと指摘する。ROI(投資収益率)を実証できれば素晴らしいが、ROEで測ることもできる。従業員は長時間労働をしなくなり、特定のスキルを持つ従業員に依存せずに知識を保持できる。これは人材を引き付ける手段でもあり、新しいスキルセットを組織に取り入れる手段でもある。
多くの組織にとって、AIエージェント構築は高度なAIエンジニアリングスキルが必要で手が届かない。しかしノーコードエージェント構築ツールが利用可能になりつつある。
完全自律型の車を作ろうとする必要はない。ヘッドライトの制御やシートヒーターの調整といった、個別の機能から始めればいい。多くの組織にとって手が届かなかったAIエージェント構築を、NCABが身近なものにする。
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