- 2026/08/20 07:10 掲載
Claude・GPT公開に「待った」連発…米トランプ政権が目論む“中国封じ”のAI戦略(3/3)
アンソロピックも逃げられない…中国を封じる「国家戦略」
トランプ政権の国家資本主義は、AI企業に利益をもたらすことで、中国に勝利することを念頭に置いていることが明らかになりつつある。トランプ政権は6月、サイバー防御強化で中国に対抗するため、G7メンバー国に対し、先端AIを国家レベルで管理する「パックス・シリカ(半導体による平和)」構想への参加を呼びかけた。
特にAIを活用した軍事システムは、急増する情報を短時間で分析し、敵よりも速く意思決定する上で、欠かせない存在になりつつある。
実際に、直近のイラン戦争を総指揮した米中央軍のブラッド・クーパー司令官は、膨大なデータを分析・処理するため「さまざまな高度なAIツールを使用している」と述べている。それらのシステムにより、敵が反応するよりも速く、より賢明な意思決定を下すことができ、処理時間が数時間・数日から数秒に短縮されたという。
アンソロピックやオープンAIの最先端AIモデルの一時利用禁止や公開停止は、安全保障の文脈、特に対中軍事AI競争の激化というコンテクストで捉えると、理解しやすい。
AIモデルが敵に悪用されれば、軍事システムが混乱し、機能不全に陥れる恐れもあるからだ。トランプ政権から見れば、最先端AIモデルは国家目的に服従するものでなければならない。
これに対してアンソロピックは、完全自律型兵器や米国内での大規模監視には一貫して制限を設けており、米国防総省と対立している。
だが、同社はいずれトランプ流の国家資本主義に絡め捕られてしまうと、筆者は予想している。アンソロピックは9月末から10月初旬のIPOを目指しており、新株主の意向も踏まえれば、いつまでもAIの軍事利用に対する抵抗を続けるわけにはいかないだろう。
アンソロピック最先端2モデルの利用禁止や、オープンAIの次期モデルの公開停止、それに関連する形で浮上したオープンAIの米政府に対する株式の付与案などは、トランプ政権の残りの任期において「安全保障面で厳格に規制、残りの領域で自由放任」がモットーであるトランプ流の国家資本主義が、全面的に発動されたと見るべきではないだろうか。
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