ROIを基軸としたIT投資マネジメント
通販ビジネスは、集客、注文、物流、決済、アフターサポートを含めて、すべての部分でITシステムが欠かせない。とくにECサイトでの取引が全取引の約半分にも達するニッセンのような企業においてはなおさらだ。明確なビジョンや戦略を持たずに、漠然とコストを下げるという「ぬるいIT化」は考えられないという。「2011 アカマイ・カスタマ・カンファレンス」において、カタログ通販大手のニッセンのIT企画室 アーキテクト 横手慎一氏が語った。
横手氏によれば、たとえばCVR(クリックから購入にまで至った割合)の数パーセントの違い、サイトレスポンスの数秒の遅れは、時間あたりの収益に直結する重大な問題となる。そのため、ニッセンにとってIT戦略は、同社のビジネス基盤のひとつを担うものであり、経営計画との結びつきも強い。その反面、結果についても厳しく評価され、責任を負わされるという。
そのため、ニッセンでは、独自のIT戦略を立て、それを動かすマネジメントシステムを10年かけて構築していった。キーワードは「COBIT」と「ROIを基軸とした評価システム」だ。
見えにくいIT投資の効果を可視化する