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  • 2013/04/19 掲載

【ネット選挙で新しい政治を作ろう!(10)】4月12日、ネット選挙運動解禁法案が衆議院を通過!(2/4)

連載『ふじすえ健三のビジネス+IT潮流』 

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インターネット選挙運動の主体と違反となる活動

 ネット選挙には企業も参加できるようになります。また、色々な違反のケースが想定されますが、非常にグレーで分かりにくい基準が多い状況です。以下、衆議院での審議をご紹介します。
企業によるネット選挙活動

 インターネット選挙運動の主体となる政党等については、 佐々木委員(共産)の「候補者、政党等以外の者、すなわち第三者のウエブサイト等による選挙運動も解禁する」、こういうふうになっております。第三者の中には企業、団体を含むのかどうか。」との質問に対して、 浦野議員(維新)は「当然、この中に企業、団体も含んでおります。」と答えている。つまりネット選挙活動に企業も参加できるということです。

 この点は、藤末としてはやや心配なことでもある。TVなどと違い「放送法の中立義務」が課せられないネット事業者が選挙で大きな力を持ちすぎる可能性があるからです。ネット事業者が意識的に情報を流し、または止める可能性がないともいえない。例えば、Yahooニュースに取り上げられるかどうかは有権者に非常に大きな影響を与えることになる。おそらく今後、議論を呼ぶことになると思う。

ネット選挙活動に関する報酬と違反


 篠原委員(民主)の「メールは、メールを打つ人、選挙事務所に来て働いていて、このメールを打ってくれ、ウエブサイトのこれを直してくれ、この人たちというのは報酬を払っていいんでしょうね」との質問に対し、奥野議員(民主)は「特定の候補者の投票依頼に関する内容の電子メールについて、メールをつくる人が文案まで考えて送っている場合、これは、その人個人の選挙運動に当たると考えますので報酬は払えない。一方で、候補者の具体的な指示のもと、文案も全部指示されて機械的に入力や送信を行うにすぎない場合は、選挙運動のために使用する労務者となる場合もあって、一定の制限はありますけれども、報酬が払える場合があるというふうに理解できるかと思います。」と答えている。

 また、ITコンサルなどにネット選挙活動の支援を依頼した場合についても、遠山議員(公明)は「多くの国会議員事務所あるいは政党支部等が、IT企業とかITコンサル企業、ネット選挙運動請負業者と言ってもいいかもしれませんが、そういうところにいろいろな形で協力をお願いするケースがふえると思われますけれども、大事なポイントは、その業者が選挙運動の主体になるかならないかというところが考え方のポイントでございます。もし選挙運動の主体者になっていて、その方に報酬を払いますと、これは買収のおそれが高いと判断せざるを得ないわけでございまして、・・」という回答である。

 つまり、選挙のネットを担当した会社が作業を請け負う場合は報酬をもらってよく、送る文面などを考えた場合は報酬をもらうと選挙違反になることになります。この点はあまりにもグレーです。選挙を経験したものでも判断を誤るのではないかと危惧されます。この関係では相当な数の違反者が出るのではないでしょうか。

買収となったら当選無効です、下手にネットのオペレーションの外注もできなくなります。

 一方で、濱村委員(公明)の「業者に、候補者に対する誹謗中傷の内容を単に否定するための反論の書き込みを行わせて報酬を支払う場合は、どうなりますでしょうか。」との質問に対して、遠山議員(公明)は「今の御質問は、ある特定の候補者、政党に対して誹謗中傷を行っていることがネット上であった場合に、その誹謗中傷に対する反論の書き込みだけを業者が行った場合、そこに報酬を払う場合は、これは選挙運動に当たらないので、買収には当たらない可能性の方が高いという解釈になるわけでございます。」と答えている。

 一般の方々にはこの違いが判らないと思うが、実際に法律の条文はこう解釈せざるを得ないのである。
よほど細かいガイドラインを作らないと大きな混乱が生じ、悪意がない選挙違反者が出てくる可能性が高いと思われます。なお、誹謗中傷とか成り済ましについては田嶋議員(民主)が述べるよう「現行法上の中で、虚偽事項の公表罪、これは公選法の中にある罪でございますが、そして、一般法の刑法の中には名誉毀損罪や電子計算機損壊等業務妨害罪、こういう刑事罰の対象となっておるわけでございます。」とあるように刑法で対応することになります。

警察庁の対応

 なお、ネットにおける選挙違反の取り締まりについて、警察庁刑事高綱局長は「警察といたしましては、法改正がなされれば、その改正の趣旨にのっとり、選挙違反の取り締まり担当部門、サイバー犯罪対策部門、そして情報通信部門との連携を強化するなどして必要な体制を構築して、公正中立を旨として適切に取り締まりを行ってまいる所存でございます。」と相当気合いが入った答弁を行っている。おそらく警察庁はネット選挙違反を必ずあげてくると藤末は見ています。

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