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  • 2013/05/31 掲載

採用チャネルの差別化戦略、優秀な人材を見抜くには?

連載:急成長ベンチャーの人財マネジメント戦略

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急成長を遂げたITベンチャー企業のホニック社は、事業の拡大スピードに人材の採用が追いつかず、数年前から採用したエンジニアの離職率の高さが組織の課題となっていた。人事部長に抜擢された宮田(38歳)は、大学時代の友人で現在人事コンサルティング会社に勤める河上に相談を持ちかけ、ホニックの人事改革を推進することとなった。2人ははじめに、そもそもホニックとして優秀なエンジニアをどうやって獲得(採用)するか?という点から検討を始めることにした。その中で、エンジニアの獲得競争が激しい環境下において、他社との差別化を図るため、「女性エンジニア」をターゲットとした採用活動を進めることとなった。

クレイア・コンサルティング 執行役員 桐ヶ谷 優

クレイア・コンサルティング 執行役員 桐ヶ谷 優

クレイア・コンサルティング株式会社 執行役員 ディレクター。
慶応義塾大学文学部卒業。大手人材派遣会社および外資系コンピューターメーカーの人事部門にて、人材開発や人事制度設計に携わる。その後、国内系人事コンサルティング会社を経て現職。主に人事制度改革を中心にコンサルティングを行う。最近では、企業再編に伴う人事制度改革や組織改革に従事。また、制度設計だけでなく、人事制度導入局面でのコンサルティング経験も豊富に持つ。

【企業の概要、これまでのストーリー】
企業名:ホニック社
主な事業:スマートフォン向けのゲームアプリの開発
従業員数:100名
売上高:20億円
ホニック社は、サラリーマン向けに開発したゲームアプリが大ヒットし、社員数100名、売上高20億円にまで急成長を遂げたITベンチャー企業である。しかし、事業の拡大スピードに人材の採用が追いつかず、数年前から採用したエンジニアの離職率の高さが組織の課題となっていた。社長の岩崎から直々の要請を受け、営業部門のマネージャーから人事部長に抜擢された宮田(38歳)は、大学時代の友人で現在人事コンサルティング会社に勤める河上に相談を持ちかけ、河上のサポートを受けながら社長の直轄プロジェクトとして、ホニックの人事改革を推進することとなった。2人ははじめに、そもそもホニックとして優秀なエンジニアをどうやって獲得(採用)するか?という点から検討を始めることにした。その中で、エンジニアの獲得競争が激しい環境下において、他社との差別化を図るため、「女性エンジニア」をターゲットとした採用活動を進めることとなった。

優秀な人材を引き寄せられる環境を整備する

photo
(※写真はイメージ)

 「女性エンジニア」をターゲットとした採用活動を進めていこう、という方針を決めたものの、宮田と河上はそれから1週間程どうやってそれを実現していくか?ということに頭を悩ませていた。2人はホニックの会議室で、ホワイトボードに向かいながら、「どうやったら女性エンジニアの応募を増やすことができるのか?」というテーマで何度もブレスト(ブレインストーミング)を実施した…。

宮田:そもそも女性エンジニアが転職を考えるようなときには、どういう手段を使って転職先の情報を探すのか、そもそも女性エンジニアたちはそもそもどういった会社で働きたいと思っているのか、うちの会社の女性エンジニアたちにも少し話を聞いてみたのですが、人によってその理由はマチマチだし、正直よく分からないんですよね…。

河上:女性エンジニアも、基本的には中途採用の求人サイトを見たり、人材紹介会社に登録して転職活動をするケースが多いようですよ。ただ、応募者にとっても、採用支援を行う会社の営業担当者にとっても、ホニックの認知度はまだまだ低いのが実態です。
 もう一度、求人募集サイトを運営している企業の営業担当者や人材紹介会社の営業担当者たちに、女性エンジニアの応募が多い会社の特徴を尋ねてみましょう。そうすれば、もう少し詳しいことが分かるかもしれません。私のネットワークを使って早速アポイントを取っておきますよ。
 それから、女性エンジニアたちが会社に期待することは確かに人それぞれ異なると思いますが、女性エンジニアを比較的数多く採用している会社には、きっと何からの共通点があるに違いありません。是非その点についても何とか解明してみましょう。

 さっそく2人は、数社の営業担当者とアポイントを取り、「どうしたら女性エンジニアを採用できるのか?」ということを尋ねて回った。また、その過程で、2人はホニック社が今後女性エンジニアを積極的に採用していくつもりであることを熱心にアピールした。ある採用支援会社の営業担当者は、女性エンジニア300名に対して実施したアンケート結果を見せながら、女性エンジニア採用のポイントをレクチャーしてくれた。

 それらの情報を分析した結果、河上は、女性エンジニアを吸引できる会社には、概ね次のような共通の特徴が見られることを導き出した。

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