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  • 2013/08/27

成長企業において給料やボーナスはどう決めるべき?賃金制度が果たす機能とは

(最終回)連載:急成長ベンチャーの人財マネジメント戦略

他社との差別化を図るため、ひと味違う採用活動が軌道に乗り、順調に人材獲得が進むようになってきたホニック社。社員の定着に向けて、入社後の教育研修も充実させ、人事評価制度の改革も断行した。各メディアにも取り上げられ、ますます順調に人事改革が進んできた。人事部長の宮田は最後の仕上げとして、頑張る社員に報いるために、給与や賞与の見直しを検討し始めたのだった。

クレイア・コンサルティング 執行役員 桐ヶ谷 優

クレイア・コンサルティング 執行役員 桐ヶ谷 優

クレイア・コンサルティング株式会社 執行役員 ディレクター。
慶応義塾大学文学部卒業。大手人材派遣会社および外資系コンピューターメーカーの人事部門にて、人材開発や人事制度設計に携わる。その後、国内系人事コンサルティング会社を経て現職。主に人事制度改革を中心にコンサルティングを行う。最近では、企業再編に伴う人事制度改革や組織改革に従事。また、制度設計だけでなく、人事制度導入局面でのコンサルティング経験も豊富に持つ。

【企業の概要、これまでのストーリー】
企業名:ホニック社
主な事業:スマートフォン向けのゲームアプリの開発
従業員数:100名
売上高:20億円
スマートフォン向けのゲームアプリの開発会社ホニックは、サラリーマン向けに開発したゲームアプリが大ヒットとなり、社員数100名、売上高20億円にまで急成長を遂げたITベンチャー企業である。しかし、事業の拡大スピードに人材の採用が追いつかず、数年前から採用したエンジニアの離職率を高さも組織課題となっていた。社長の岩崎から直々の要請を受け、営業部門のマネージャーから人事部長に抜擢された宮田は、大学時代の友人で現在人事コンサルティング会社に勤める河上に相談を持ちかけ、河上のサポートを受けながら社長の直轄プロジェクトとして、ホニックの人事改革を推進することとなった。

急成長企業において報酬はどう決めるべき?

 宮田は、人事コンサルタントである河上のアドバイスを受けながら、ホニックの人材採用プロセスの見直し、社内の育成体制の整備、更には、人事評価制度の改訂に次々と取り組んでいった。

 その結果、ホニックの職場内では、

「育成体制の強化によって、若手エンジニアの立ち上がりのスピードが早まり、社内の人材不足感が徐々に解消されつつある」

「評価制度の整備によって、一人ひとりが目指す方向性がクリアになり、社員にとっても何をすればどのように評価されるのかが明確になった」

「新たに導入された評価制度の運用を通じて、上司と部下の間のコミュニケーションが以前よりも活発に行われている」

 といった声が聞かれるようになり始めていた。

 さらにホニックは「ヒト」に関わる自社の取組みをHPで積極的に紹介していった。その結果、ホニックの人事制度改革の取組みや施策がさまざまなメディアや雑誌に取り上げられ、大手企業や競合他社からも優秀なエンジニアが応募するようになっていた。

 矢継ぎ早の改革に手ごたえを感じた宮田は、人事制度改革の仕上げとして、賃金制度の見直しにも着手することにした。

評価によって賃金がどの程度上がるのかは大きな関心事

宮田:今回の人事制度改革の総仕上げとして、来年度が始まるまでに賃金制度の改訂・導入を進めていきたいと思っています。今回、人事評価制度の仕組みは整備しましたが、整備された人事評価に基づいて、社員一人ひとりの報酬を変動させるところまで結び付けなければ社員の行動を変革させることにつながらないのではないでしょうか。

 賃金制度を整備し、貢献度の高い人材にきちんと報いることができる仕組みにしていきたいし、何をすればどの程度報酬が上がるのか、ということを社員にもきちんと示していきたいのです。ただ、成長途上にある当社において、いきなり人件費を増やすことはできないので、現在の人件費の枠組みの中で、それをより効果的に分配できる仕組みを考えたいと思います。

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河上:そうですね。人事評価制度の改訂により、評価に対する納得感はある程度高まってきたと思いますが、やはり社員にとっては、評価によって最終的に自分自身の賃金がどの程度上がるのか、ということが非常に大きな関心事だと思います。

 ゆえに、人事評価制度の改訂に連動した形で賃金制度の改訂を進めることは社員のモチベーションを高める上でも非常に重要なことだと思います。人事評価制度の改訂時にも評価制度の機能について最初に整理させてもらいましたが、今回も改めて賃金制度の機能をまとめてみましょう。

 そう言うと、河上は前回と同様に、ホワイトボードを使って賃金制度の機能について解説を始めた。

【次ページ】とりあえず支払う、では限られた原資を有効に分配できていない

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