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  • 2014/09/18 掲載

個人情報保護法改正は競争力を高めるか?ビッグデータ利用規制と自由化の落とし所

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知っている人も多いかもしれないが、来年をめどに個人情報保護法が改正されようとしている。昨今ではソーシャルメディアやモバイルデバイス、画像解析技術の発達などにより、施行以来10年以上経過している同法の運用が従来通りにいかなくなっている。とくにビッグデータ活用への適合が産業界や成長戦略を掲げる政府からも叫ばれるようになり、改正に向けた議論や法案づくりが活発化している。ここで、現状の改正の方向性や論点を整理してみよう。

個人情報保護法改正がビッグデータ活用を阻害する?

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 2003年に施行された個人情報保護法は、これまでに何度か政令により運用規定の追加などが行われてきた。しかし、今回は法律の改正を含み、これまでとは少し異なっている。

 それは、個人情報の定義についても踏み込んだ議論がなされている点からもわかる。同法において個人情報がなにを指すのかという定義部分は、その根幹にかかわる重要な部分といえる。これが改正されたり大幅な修正がなされれば、その後の運用、とくに現行法下で作られたルールやサービスも大きく変わる可能性がある。

 今回、なぜ定義まで踏み込む必要があるのか。

 そもそもは、企業業務で発生するデータ、サービスするうえで収集するデータは、ビジネスで活用される際に「どこまでなら無断で利用できるのか」「利用者の許諾が必要なのか」といったことが明確ではなかった。

 そのため、各社それぞれの判断でビジネスやサービスを展開してきたところ、プライバシー侵害や情報漏えいなどの問題が頻発するようになってきたのである。

従来の運用が通用しなくなってきた

 その背景には、ソーシャルメディアやモバイルデバイス、画像解析技術の発達などにより、これまでのデータ利用では想定しにくかった問題が表面化してきたことにある。単なる位置情報から対象の行動履歴が分析可能になり、カメラ映像からは年齢や性別はおろか個人の特定・追跡まで可能になっている。

 これまでは「個人情報」といえば住所と名前のことで、それ以外は個人情報ではない、と言ってもそれほど大きな問題にはならなかった。しかし現在は、特定店舗の来店情報だけでも、複数の情報と組み合わせれば個人の特定は不可能ではなくなっている。

 現行法を安全方向で運用する限り、結局ビッグデータの利活用は進まなくなる。そのためには根本となる個人情報保護法の改正、個人情報そのものの定義の明確化、利用条件の明確化が必要ではないか。これが、法改正の背景である。

グレーな個人情報の定義

 ここで現状の個人情報の定義を振り返ってみよう。個人情報の保護に関する法律の第二条には次のように定義されている。

生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。

 よく「住所と名前と生年月日以外は個人情報にはあたらない」という議論を目にするが、法律の定義は住所や名前に限定しているわけではない。

 カッコ内の「他の情報と容易に照合することができ」という部分は、施行当時と現在で状況が変わった部分だ。生存する個人の識別という点を主眼とすると、現在住所や名前がなくてもライフログデータなどは十分に個人を識別できる個人情報という解釈が成り立つわけで事実、それでトラブルが発生している。

【次ページ】データ寡占でプラットフォーマーがひとり勝ちに?

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