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  • 2015/10/07 掲載

メタップス CEO 佐藤 航陽氏が予測、人工知能(AI)が社会に何をもたらすか?

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2015年8月に東証マザーズに上場したばかりの注目ベンチャー企業メタップスは、アプリ収益化プラットフォーム「Metaps」をはじめとした、検索エンジン、ソーシャルメディア、Eコマースなどのマーケティング分野を中心に事業を展開している。メタップス CEO 佐藤 航陽氏は、シェアリングエコノミーやビットコインといった新たなテクノロジーが社会にもたらすさまざまな変化を予測している。

フリーライター 井上 猛雄

フリーライター 井上 猛雄

1962年東京生まれ。東京電機大学工学部卒業。産業用ロボットメーカーの研究所にて、サーボモーターやセンサーなどの研究開発に4年ほど携わる。その後、アスキー入社。週刊アスキー編集部、副編集長などを経て、2002年にフリーランスライターとして独立。おもにロボット、ネットワーク、エンタープライズ分野を中心として、Webや雑誌で記事を執筆。主な著書に『キカイはどこまで人の代わりができるか?』など。

テクノロジードリブンな経済が生まれる

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メタップス CEO 佐藤 航陽氏
 起業家として活動しながら、“お金のあり方”について研究を続けてきたというメタップス CEO 佐藤 航陽氏は、「Tech In Asia Tokyo 2015」に登壇し、現在の資本主義が転換期を迎えているという持論を述べた。

 佐藤氏は、今後200年ぐらいのスパンで、経済が大きく変化すると考えている。その理由は、シェアリング・エコノミーの概念から生まれたサービスや、ビットコインといった仮想通貨のようなテクノロジーが登場したためだ、経済のあり方には多様性があってもよいという考えだ。

「これまでは経済の選択肢が1つしかないと思い込んでいただけで、インターネットを中心に幻想が壊れはじめ、新しい選択肢が広まっていく過渡期にある」(佐藤氏)

 いうまでもなく、世の中はテクノロジーを中心に動いている。モデレーターを務めたグロービス・キャピタル・パートナーズ パートナー COO 今野 穣氏は「テクノロジーを基点にした国家、政府、社会などは、今後どんな形になっていくのか?」と佐藤氏に尋ねた。

「長期的に考えると、人間がお金を稼ぐことがオプションの1つになってしまうと思う。テクノロジーが、労働と資本から人を解放する。お金がなくても生きられる人が増えれば、おそらく働く人は減るだろう。実際に200年前と比べて、労働時間は減っている。今後も労働時間は減り続け、どんどん働く必要性がなくなると思う。逆に言えば、もっと人間らしい創造的な活動にフォーカスできるようになるということ」(佐藤氏)

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 続けて佐藤氏は「たぶん50年後ぐらいは、国家は残っているが、その境界線が消えてボーダーレス化が進む」と今後を予測した。

「グーグルやアマゾンのように国家に近づく企業がいくつか現れ、逆に国家が企業に近づいてくる。企業をうまく吸収し、彼らの力を活用して国力を強める“国家の企業化”も進んでいくと思う。国家と企業の境が消え、さまざまな概念が溶け、もう一度混ざり合う瞬間が訪れるかもしれない」(佐藤氏)

 では、そういったポスト資本主義が始まる際に、欠かせない触媒となるものとは何か。今野氏はメタップスの事業を踏まえ、「ITやインターネットがイノベーションの触媒となるのか?」と質問した。

 佐藤氏はこの問いに同意し、「いまの生産性を10倍ぐらい向上させる新技術が登場した瞬間に、それを基点に社会が切り替わっていく。そういう意味ではインターネットも約20年が経ち、資本や労働の領域まで浸食している。直近10年間では金融の領域が大きくが変わるはず。メタップスの事業もそこにフォーカスしている」とした。

 いま注目を浴びているテクノロジーの1つが人工知能(AI)であり、メタップスでもAIを取り入れていたサービスを展開している。佐藤氏この点について「AIが人を超えるという話題もあるが、それは我々にとってはどうでもいいことだ。テクノロジーの流れでいえば、ITは将来的に“インテリジェント・テクノロジー”になることは、ほぼ間違いのないことだから」といたって冷静な判断だ。

【次ページ】メタップス佐藤氏「人がなぜお金を支払うかを科学したかった」

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