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  • 2021/04/26

ルーシッド・モーターズ(Lucid motors)とは?高級EVでテスラのライバルになれたワケ

ルーシッド・モーターズ(Lucid motors)とは、米テスラのモデルSの開発を手がけたピーター・ローリンソン氏によって2007年に設立された高級電気自動車(EV)の開発・販売を手掛ける企業だ。創業時から手掛けてきたバッテリー開発の技術を活用し、家庭や各種施設に電力を供給する蓄電ソリューションも展開するビジョンも描く。同社はSPACを介した上場を予定しており、同資金調達でさらなる拡大が期待されている。

在スペイン コンサルタント 佐藤 隆之

在スペイン コンサルタント 佐藤 隆之

Mint Labs製品開発部長。1981年栃木県生まれ。2006年東京大学大学院工学系研究科修了。日本アイ・ビー・エムにてITコンサルタント及びソフトウェア開発者として勤務した後、ESADE Business SchoolにてMBA(経営学修士)を取得。現在は、スペイン・バルセロナにある医療系ベンチャー企業の経営管理・製品開発を行うとともに、IT・経営・社会貢献にまたがる課題に係るコンサルティング活動を実施。Twitterアカウントは@takayukisato624。ビジネスモデルや海外での働き方に関するブログ「CTO for good」を運営。

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ルーシッド・モーターズスの高級電気自動車「Lucid Air」。
20分の充電で480キロメートル走行できるという
(出典:ルーシッド・モーターズ)

ルーシッド・モーターズは「ポスト・ラグジュアリー」

 ルーシッド・モーターズは2020年9月、高級なセダン型電気自動車(EV)として「Lucid Air(ルシード・エア)」を発表した。性能や効率性、デザインを含め、競争力の高いセダン・タイプの高級車だ。スペース・コンセプトと呼ばれるデザインで、社内を広く使える内装が目を引く。

 ルーシッド・モーターズは同社をポスト・ラグジュアリーなブランドであると位置付けている。これまでのラグジュアリーは物質的な豊かさを求めたステータスとして認識されてきたが、ポスト・ラグジュアリーでは、情緒的な結びつきや体験、環境性能といった点に配慮した、現代的な価値観を表現しているという。

 同社の分析では、伝統的なラグジュアリー・ブランドとしてメルセデスベンツやBMWを挙げ、同社が推進するポスト・ラグジュアリーとの違いを説明。また、テスラが革新的ではあるものの、ラグジュアリーを志向しているわけではないとも指摘している。

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ルーシッド・モーターズのステークホルダー
(出典:筆者作成)

強みは驚異的なバッテリー効率と短時間充電

 ルーシッド・モーターズの強みはバッテリー効率にあると考えられる。電池容量あたりの走行距離は、エネルギー効率の指標となるが、Lucid Airは1kWh(キロワット時)あたり517マイル(832キロメートル)を達成し、412マイルとされるテスラのモデルSを上回る見込みだ。また、バッテリー容量も113kWhとなり、こちらもモデルSの98kWhを超えると言われる。

 ほかにも、300マイル(約480キロメートル)分の充電が20分で行える超高速充電機能や、最大1080馬力の高いモーター性能、空気抵抗を低減させた空気力学的車体デザインなど、業界最高水準の機能が含まれている。

 加えて、32個以上のセンサーやカメラ・超音波・LiDAR(光センサー)を搭載した運転支援システムによって、速度制御・ハンドル操作をシステムが担当できるレベル2の自動運転を実現する計画だ。

 また、Lucid Airのオーナーは、Electrify America社の充電ステーションが利用できるようになる。Volkswagenが出資するElectrify Americaは、米国内に500以上の拠点を持ち、利用者の利便性を高めてくれる。


セダンだけでなく、大型車も高級路線

 Lucid Airには複数のラインナップが予定されている。2021年後半に販売が予定されているのは、上位モデルであるDreamエディションであり、16万9000ドルの価格が付けられた。また、2022年には最も安価な7万7400ドルのモデルを販売する計画がある。これは、8万から14万ドルで販売しているテスラのモデルSと同様の価格帯だ。

 さらに、2023年以降にはセダン型にとどまらず、SUVのような大型車もポスト・ラグジュアリー・ブランドの下で高級路線を継続する戦略がある。同社が開発した「スケートボード型」の車体により、異なる車種でも共通してバッテリーやモーターなどを同様に配置できるのが利点だ。

 2022年にはLucid Airを2万台生産および販売し、その売り上げは22億ドルを超える計画となっている。SUV型車種の販売も加わり、2024年には黒字化する見込みだ。

 Allied Market Researchの調査では、全世界における高級車市場は2018年の4,957億ドルから年率5.2%で成長し、2026年には7332億ドルに達すると予測している。

 特に、ルーシッド・モーターズに代表されるような電気自動車の販売が、高級車市場の拡大に寄与する見込みという。

【次ページ】なぜテスラの「強力なライバル」なのか?

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