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  • 2016/01/29

やっぱり東京ガスが「電力自由化」の勝者になる

4月1日から始まる電力小売の完全自由化では異業種参入が相次ぎ、「新電力」各社の家庭用契約の獲得合戦たけなわ。東京ガスもそれに加わっている。電力自由化が始まった翌年の2001年に、大口需要家向けで参入して以来15年の実績があり、出資するENNET(エネット)は現状、新電力の中では41.1%のシェアを占めている。家庭への「ラストワンマイル」を握る強みのほか、東京ガスには電力自由化の「勝者」になれるさまざまな条件が揃っている。

経済ジャーナリスト 寺尾 淳

経済ジャーナリスト 寺尾 淳

経済ジャーナリスト。1959年7月1日生まれ。同志社大学法学部卒。「週刊現代」「NEXT」「FORBES日本版」等の記者を経て、経済・経営に関する執筆活動を続けている。

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4月1日からの「電力自由化」の勝者はどこか

東京ガスの発電能力は地域電力会社並みに

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 4月1日の電力小売自由化スタートに向けて、1月から「事前予約受付」という形で一般家庭の契約獲得競争が本格的に始まった。電力計を「スマートメーター」に交換すれば、従来の地域電力会社、新規参入の「新電力」(特定規模電気事業者/PPS)の中から、居住地でサービスする業者を自由に選べるようになる。

 新電力のアピールポイントは、他の料金とセットで割引する「まとめればお得」。KDDI(au)、ソフトバンクの携帯キャリアは携帯電話料金とセットで、ENEOS(JXエネルギー)、昭和シェルなど石油会社はガソリン代とセットで「電気がお得になる」とPRしている。私鉄の東急は定期代とセットで割引する。受けて立つ地域電力会社も対抗して家庭向けの新料金体系を発表した。

 都市ガスの東京ガスも参入し、ガスと電気のセット契約で基本料金を税込みで270円割り引き、1ヵ月の電力使用量が300KW時を上回る世帯では東京電力の現行料金より安くなるという。提携先の通信7社の光回線とのセット契約で月最大300円安くするサービスも行い、広瀬道明社長は1月18日、さらに安い料金プランへの改訂をほのめかした。

 その東京ガスは自社グループに大型の火力発電所があり、新電力の中では電気の販売で最も実績がある。

 電力小売の自由化は2000年の大型工場や百貨店から始まり、2004年に中型工場やスーパー、2005年に小型工場が対象に加わり、段階的に進んできた。東京ガスは2001年6月、千葉県の袖ヶ浦工場内に火力発電所「東京ガスベイパワー」(10万KW)を設けて電力事業に参入し、それ以来15年の実績がある。

 現在は他社と共同の施設も含めて首都圏に4ヵ所の火力発電所を有し、2015年3月期は連結ベースで1年間に106.1億KWの電力を販売。2011年3月期の70.4億KWから4年で約5割の増加をみせた。

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東京ガスの電力販売量(年間連結ベース)
(出典:東京ガス「インベスターズレポート2015」)


 電力の小売は、かつては東京電力など全国に10社ある地域電力会社がほぼ独占してきたが、2014年度は新電力の比率が約1割に達している。4月の電力小売完全自由化でこのシェアがどこまで伸びるかは、経済ニュースで今年の大きなトピックになっている。

 その新電力の最大勢力は2014年度の販売電力量で41.1%のシェアを有するENNET(エネット)で、東京ガス、大阪ガス、NTTファシリティーズが共同出資で設立した。2位のF-Power(ファーストエスコから分離した新電力)の9.3%に大差をつけている。

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新電力内の販売電力量のシェア(2014年度上位5社)
(出典:東京ガス「インベスターズレポート2015」)


 そのENNETに電気を供給する東京ガスの発電能力(グループ持分合計)は130万KWで、世界最大の原発、東京電力柏崎刈羽原発(停止中/7基・821万KW)のほぼ1基分にあたる。

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