開閉ボタン
ユーザーメニュー
ユーザーメニューコンテンツ
ログイン

  • 会員限定
  • 2016/03/10

MICEとは何か? 観光庁の山田 敏智氏に聞く、日本経済活性化の切り札

日本経済活性化の1つの戦略として、MICEに注目が集まっている。これは多くの集客・交流が見込まれる国際規模のビジネスイベントの総称で、その開催により、観光振興だけでなく、ビジネスやイノベーションの機会の創造、地域への高い経済効果、国・都市の競争力向上が期待できるという。そこで、本特集では、MICEの認知度向上を図り、市場のさらなる発展をめざしている国土交通省 観光庁 MICE推進担当参事官付 専門官 山田 敏智氏に話を聞いた。

photo
国土交通省 観光庁
MICE推進担当参事官付 専門官
山田 敏智氏

MICEが意味するものとその重要性

──そもそもMICEとは、何を意味するのでしょうか。

山田氏:MICEとは、多くの集客・交流が見込まれる国際規模のビジネスイベントの総称で、Meeting、Incentive Travel、Convention、Exhibition/Eventの頭文字をとった造語です。それぞれの日本語訳は、企業などの会議、企業などの行う報奨・研修旅行、国際機関・団体・学会などが行う国際会議、展示会・見本市・イベント、としています。つまり、旅行といえば旅行なのですが、一般的な観光旅行とは性格が異なっており、その文脈のみで捉えるべきではない経済活動であるため、観光とは分けてこれを1つの市場と考える動きが世界的に広がっています。

──なぜ特にMICEに焦点を当てるのですか。

山田氏:MICEを開催することには、大きく3つの利点があります。

 1つめは、新しいビジネスやイノベーション機会の創造です。たとえばMICEで日本に参加者を集めるということは、企業や学会の主要メンバーが日本に集結することになります。これにより日本の関係者と海外の関係者が人的ネットワークを構築しやすくなり、それが新しいビジネスやイノベーション創造のきっかけになると考えています。

 2つめは、地域経済の活性化です。主催者、参加者、出展者などが計上する消費支出や関連の事業支出は、MICE開催地域を中心に大きな経済波及効果を生み出します。MICEは、下図のとおり、宿泊、交通費、飲食、観光、お土産に加えて、会議場や通訳の利用など経済・消費活動のすそ野が広くて金額も高く、滞在期間は一般的な観光旅行に比べて比較的長期に亘ります。MICEは高い経済効果を生み出す活動と言えるのです。

画像
図1■一般的な観光旅行と国際会議の違い

 3つめは、国・都市の競争力向上です。MICE開催を通じた国際規模の集客、情報流通、人的ネットワークの構築などはビジネスや研究環境の向上につながり、都市の競争力、ひいては国の競争力につながります。実際、海外の多くの国・都市がその経済戦略の中で、その達成手段の一つとしてMICEを位置付け、自国が焦点を当てた産業分野の振興、イノベーション創出ツールとしてMICEを活用しています。

 こうした観点から、日本においてもMICEの利点を十分に認識し、活用することが重要だと考えています。

市場は拡大しているが、日本の存在感は低下傾向に

──世界的なMICE市場の動向を教えてください。

山田氏:ICCA(International Congress and Convention Association)という国際団体があるのですが、その統計によれば、世界全体でみれば国際会議の開催件数は年々増加しています。

 ただ、これまでは、国際機関・学会はその多くが本部を欧州に置いており、そのため国際会議の開催地も欧州が約半数を占めてきました。

 しかし、このところのアジアの急速な経済成長を受けて、2003年から2014年にかけての開催件数増加率は、アジア・太平洋・中東地域で約2倍に増加しています。

──その中で日本はどうなのでしょう?

山田氏:アジアの国際会議市場という観点でみると、日本は90年代には圧倒的な存在感を示していました。しかし現在はシンガポール、韓国など多くのライバルが激しく追い上げており、もはや独占市場ではなくなったというのが現状です。数字で申し上げれば、1991年にはシェア51%であったものが、2004年には25%に落ち込み、その後は横ばい状態が続いています。2014年のアジア・太平洋地域の都市別国際会議開催件数ランキングは、日本は東京の6位が最高で、世界全体順位は22位です。まさに、この順位の向上が直近の課題です。

画像
図2■国際会議開催件数に見る日本の存在感

【次ページ】 観光庁が取り組むMICE市場活性化プログラム

政府・官公庁・学校教育IT ジャンルのトピックス

政府・官公庁・学校教育IT ジャンルのIT導入支援情報

ビジネス+IT 会員登録で、会員限定コンテンツやメルマガを購読可能、スペシャルセミナーにもご招待!