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  • 2017/06/16 掲載

オラクルやSAP、クラウドベンダーとの交渉で「絶対に言ってはいけないこと」

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米オラクルや独SAPなどのソフトウェアベンダーと交渉し、必要なライセンスやサポートを安価に購入するためには、8つのステップを踏む必要がある。財務部門などのステークホルダーを巻き込んで交渉チームを結成し、ベンダーとの情報収集合戦に勝利し、契約条件を細かく精査して契約内容を詰めていく。ユーザー企業がとるべき具体的な行動について、米ガートナーのリサーチ部門でバイスプレジデント兼最上級アナリストを務めるジョアン・ローゼンバーガー氏が解説する。
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IT投資に関する交渉が企業の行く末を左右する場合もある
(© mangostar_studio – Fotolia)

※本記事は「ガートナー ソーシング&戦略的ベンダー・リレーションシップ サミット 2017」の講演内容をもとに再構成したものです。

ベンダーとの商談を優位に進める8つのステップ

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 「ガートナー ソーシング&戦略的ベンダー・リレーションシップ サミット 2017」に登壇したローゼンバーガー氏は、ユーザー企業がソフトウェアベンダーとの商談を優位に進めるための方法を、8つのステップにまとめて解説した。

 背景には、米オラクルや独SAPを筆頭に、米マイクロソフト、米アドビ、米グーグル、米VMwareなどに代表されるソフトウェアベンダーは、ビジネスの交渉相手として非常にタフであるという状況がある。「交渉にあたっては、しっかりと系統立てて望む必要がある」とローゼンバーガー氏は指摘する。

 講演でローゼンバーガー氏は、8つのステップごとに、ユーザー企業が取り組むべき行動を解説した。ステップ1からステップ8まで、順を追って実践していくことによって、ソフトウェアベンダーから安価にソフトウェアを購入できるようになるという。

ステップ1.契約交渉チームを立ち上げる
・共同的なチームアプローチ
・チームリーダーを選ぶ
・チームメンバーそれぞれの才能を活用する

ステップ2.契約交渉プランを策定する
・要件を特定してランク付けする
・競争環境を生み出す
・ブレインストーミングを実施し、戦術を調査する

ステップ3.契約交渉ポリシーを伝える
・ベンダーの社交行事には参加しない
・IT部門とビジネス部門の役割について定期的に
・再認識させる
・機密データは社外秘にする
・ベンダーは従業員ではない

ステップ4.隠れたコストと不明コストを詳しく把握する
・ソフトウェアライセンス費用とサービス費用
・保守/サブスクリプション/サポート費用
・プロフェッショナルサービス
・トレーニング

ステップ5.T&C(契約条件)チェックリストを維持する
・オンプレミスT&C
・SaaSとクラウドのT&C
・ベンダー別にカスタマイズされたT&C

ステップ6.財務部門を巻き込んでTCA/TCOモデルを作成する
・チェックリストを使用して、隠れたコストをすべて把握する
・長期コストの影響を正確に確認する

ステップ7.交渉戦略を最終化し、商談を最適化する
・競争環境を維持する
・レバレッジを調査/構築する
・承認レベル(プロセス)と、戦術を策定する
・撤退を前向きに考える
・沈黙は金なり

ステップ8.堅牢なSAM(ソフトウェア資産管理)と監査管理プロセスを策定する
・SAMを策定することで、「誰が、何を、いつ、どこで、どのように」を把握する
・監査準備キットを開発して維持する

契約交渉チームを立ち上げ、契約交渉プランを策定する

 まず最初に取り組む第1のステップは、契約交渉チームを立ち上げることである。RFP(提案依頼書)を作成するだけでなく、価格交渉などの準備をする。

 交渉にあたっては、IT部門だけでなく業務部門のステークホルダーを関与させることが重要であるとローゼンバーガー氏は言う。責任を委譲することによって、個々の担当者が備えている能力、知識、専門スキルを活用できるからだ。

 たとえば、オンプレミス環境からクラウド環境に移行するプロジェクトでは、CSO(最高セキュリティ責任者)を巻き込む必要があるという。

 契約交渉チームを立ち上げた後は、ステップ2として、契約交渉プランを作る。ここでは、購入を検討している製品の競合製品などを調査する。オープンソースで代替できるかなども調べる。ベンダーの四半期決算などの業績を調べれば、いつ商談をまとめると安くなるかが分かる。

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ソフトウェアとサービスのベンダー/ソリューションの評価方法の例
(出典:ガートナー)


 契約交渉プランではまず、ベンダーを競争環境に置くことが重要になる。競合するベンダーを調べたり、米Rimini Streetなどの第三者保守サービスを検討したりする。「競合製品がないと、決してベンダーに対して言ってはならない。言い値で買ってもらえると思われ、価格が跳ね上がるからだ」(ローゼンバーガー氏)。

 競合製品が見つからなかった場合は、社内で自社開発できるかどうかも考えるべきであるとローゼンバーガー氏は言う。「社外から買うことを決めていても、そのことをベンダーに教えてはならない。自社開発というオプションがあれば、自社を競合ベンダーの1社として見ることができる」(ローゼンバーガー氏)。

 ベンダーの四半期ごとの業績を把握することも大切である。「第1四半期の業績が悪かった場合、続く第2四半期に商談をまとめると価格が下がりやすい。業績を挽回したいからだ」(ローゼンバーガー氏)。ベンダーがどんな会社を買収したのかも把握しておくとよいという。ベンダーは、買収した会社の製品を売ることに注力するからだ。

【次ページ】最終フェイズで「絶対に言ってはならない」こととは?

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