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  • 2017/08/16

20周年を迎えたJANOGは、なぜ「自然な態度」で情報交換できるのか

#janog

2017年7月に福島県郡山市で、第40回JANOG Meetingが開催された。JANOGとは日本ネットワーク・オペレーターズ・グループ、Japan Network Operators’ Groupの略称で、インターネット黎明期の1997年から毎年2回のミーティングを重ねてきている。首都圏で例年開催されるような大型の展示会や勉強会とは一線を画した独特の雰囲気と、結束が感じられるイベントだった。20周年を迎えた記念すべきJANOG40 Meetingの様子をお伝えしたい。

フリーライター 重森 大

フリーライター 重森 大

メインの活動フィールドはエンタープライズ向けITだが、ケータイからADCまでネットワークにつながるものならなんでも好きなITライター。現場を見ることにこだわり、毎年100件近い導入事例取材を行ってきた。地方創生の機運とともにITを使って地方を元気にするための活動を実践、これまでの人脈をたどって各地への取材を敢行中。モットーは、自分のアシで現場に行き、相手のフィールドで話を聞くこと。相棒はアメリカンなキャンピングカー。

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JANOG40 Meeting 展示ブース

ネットワーク関係者が「ビジネス抜き」に最新情報を共有

 IT系の展示会といえば、各社が最新製品を持ち込み、売り込み合戦を繰り広げるさまを思い浮かべる人が多いのではないだろうか。JANOG Meetingにも展示ブースがあり、スポンサー各社が自社製品を持ち込んで展示していた。しかし、売り込み合戦という様相ではない。なんともいえない仲間意識を、展示ブースにさえ感じるのだ。

 ではまったくビジネスにつながらない技術勉強会なのかというと、それとも違う。エンジニアの勉強会は近年盛んに行なわれているが、そこでは参加者はいちエンジニアであり、所属企業の看板を背負っていることは少ない。それらに比べて、JANOGでは企業名がしっかり前に出ているのだ。どっちつかずと言えなくもないが、所属企業をゆるく背負っているという、エンジニアにとって一番自然な態度なのかもしれないというのが、筆者の感じた印象だった。

「参加者は多様です。エンジニアに学生、メーカーにサービス提供者。多くがインターネット業界で仕事をしている中で、JANOGの意義を感じてくれている人たちです」(日本ネットワークイネイブラー 石田 慶樹氏)

「JANOGも20年を迎え、初期にJANOGに参加していたエンジニアの方々が管理職に就き、部下のエンジニアに参加を促すことも増えてきました」(日本インターネットエクスチェンジ 齋藤 久美氏)

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日本インターネットエクスチェンジ 齋藤 久美氏(写真左)と日本ネットワークイネイブラー 石田 慶樹氏(写真右)

 日本インターネットエクスチェンジ(以下、JPIX)と日本ネットワークイネイブラー(以下、JPNE)は、いずれもJANOG40 Meetingのホスト企業だ。JANOG Meetingは毎回立候補した企業がホストとなり、スポンサー集めから会場選定などを行なう。JANOG40 Meetingでホスト企業が2つに分かれているのは、JPIXがJANOG40 Meetingのホストと決定したあとに、石田氏がJPNEの代表取締役社長として異動したためだ。

舞台に福島県郡山市を選んだのは「風評被害への支援」

 JANOG Meetingの会場選定は、基本的にホストに委ねられる。多くの企業は地域経済への貢献を願うため、発祥の地で開催することが多い。たとえばJANOG39 MeetingではDMM.comラボがホストとなり、地元金沢で開催された。東京に拠点を置くIT企業が多いので、東京と地方とでバランスよく開催されていると言う。

 そんな中で東京に本拠を置くJPIXとJPNEがホストするJANOG40 Meetingが福島県郡山市で開催されたのには、もちろん意味がある。JANOG Meetingのホストを希望する企業は、数年先まで順番待ちになっている。つまり石田氏らがホストを願い出たのは数年前であり、その当時、まだ福島県は風評被害に晒されていた。いや、2017年の今も、大きく状況は変わっていない。

「東日本大震災で、東北は大きな傷を負いました。その中でも福島県は原発事故により大きな風評被害を受けていました。それに対する支援の1つとして、その地に行ってその地のものを食べて経済を回すことを考えました」(石田氏)

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その場に行って食べて経済を回すという石田氏の言葉通り、前夜祭や懇親会では福島の地元料理が並んだ

【次ページ】「郡山でよかった」と今になっては思う

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