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  • 2017/10/26

「最も歴史あるスタートアップ」ブルームバーグに聞く、最新テクノロジーの活用法

ブルームバーグ エル・ピー 石橋 邦裕氏

情報提供を通じて資本市場の透明性を高めることを基本理念に、1981年に設立されたブルームバーグ。1987年に開設されたアジア初となる日本オフィスは30周年を迎え、“日本品質”のサービスをグローバル展開することに貢献してきた。「最も歴史のあるテクノロジースタートアップ」を標榜するブルームバーグ エル・ピー 在日代表の石橋 邦裕氏に、金融情報プロバイダーである同社のテクノロジー活用の取り組みを聞いた。

(聞き手/構成:編集部中島正頼、執筆:阿部欽一)

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ブルームバーグ エル・ピー 在日代表
石橋 邦裕氏

東京オフィス開設30周年、「日本品質」のグローバル展開を担う

──2017年は東京オフィス開設30周年に当たるとのことですが、日本における歩みと役割を振り返っていただけますか。

石橋氏:東京オフィスは、アジアで最初のオフィスとして1987年に開設されました。特に東京オフィスの役割で大きいのは、前述した「日本品質」のグローバル展開です。顧客が我々に求めるものを、世界に通用するサービスとして開発・成長させてきたことが、ブルームバーグのグローバルの商品力に寄与したと自負しています。

──具体的に「日本発」のサービスにはどんなものが?

石橋氏:たとえば、コンプライアンスの領域では、業務や取引の安全性、透明性を担保するためのフローや、それを支えるテクノロジーの面で、日本のお客様のニーズと10年以上、向き合ってきました。その基盤、機能が世界中で使われています。

 また、企業活動がグローバル化する中で、企業を評価・比較する「共通のモノサシ」が求められています。財務諸表をはじめとする各種レポートは、国によってバラバラで統一されていません。そこで、どういう指標で比較すべきかを開発する取り組みも続けています。

世界中の33万ユーザーに金融情報をリアルタイムに提供するプラットフォーム

──ブルームバーグといえば、一般には世界経済・金融情報を配信する通信社としてのイメージが強いですが、実際に中心となるビジネスは何になるのでしょうか。

石橋氏:我々のミッションは「資本市場に透明性をもたらす」ことです。基幹ビジネスは、金融情報プロバイダーと言えるでしょう。たとえば「ブルームバーグ プロフェッショナル サービス」は、債券から株式、外国為替からコモディティ、デリバティブからモーゲージまで、すべてのアセットクラスに関する情報をモバイルもしくはデスクトップにリアルタイムに提供する情報プラットフォームサービスです。

 金融に関する最新ニュースや分析機能、コミュニケーションツールや各種チャート、取引執行機能、そしてカスタマーサポートがパッケージされたこのサービスは、世界中の金融機関や事業法人、政府機関など、約33万の契約者を有しています。

──一般的なメディアや通信社とは事業構造が違うのですね。「ブルームバーグ プロフェッショナル サービス」は、世界中で同じプラットフォームを使うことが強みになっているのでしょうか。

石橋氏:たとえば、世界の資本市場における規制への対応など、世界中で同時進行的に対応を進めなければならないことがあります。こうしたビジネスにおけるグローバル化の動向に対して、当社のプラットフォームサービスは大きなアドバンテージを提供できます。スピーディに利用を開始できて、価格もリーズナブルです。

──規制対応についてのポイントはどこにありますか?

石橋氏:大ざっぱに言えば、規制とは「取引の適正さや透明性を高めるための取り組み」ということができます。たとえば、取引の価格設定は適正だったか、価格決定の際にはどのようなプロセス、判断材料を用いたかを明らかにすることが求められます。

 これらを人力で可視化するのはほぼ不可能です。我々は膨大なデータを整備し、すべての社員のメール、あるいはすべてのトレーダーの取引の価格データなどを機械的に処理し、正確かつスピーディに可視化することをお手伝いします。

──企業活動がデジタル化していき、データ量はさらに膨大になっています。

石橋氏:そこがブルームバーグの最大の価値です。膨大な量のデータ、メールのやり取りなどが企業活動を通じて発生しています。これらをいかにスピーディに正確に処理し、さらに付加価値を高めていくか、その仕組みを構築・提供していくのが我々の生命線だからです。

 顧客を知るという意味では、我々の社員の約3分の1をエンジニアが占めています。東京オフィスはブルームバーグでアジア太平洋地域最大のエンジニアリング部門を擁しているのです。

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「歴史」と「テックベンチャー」の共存がブルームバーグの文化

──ブルームバーグの実態は、テクノロジー企業なのですね。

石橋氏:我々は「テクノロジー分野における、最も歴史あるスタートアップ」を標榜しています。1981年に設立された歴史ある会社ですが、今でもスタートアップ精神を大事にしており、大企業病とは基本的に無縁だと自負しています。

 中でも「スピード」を実現するためにテクノロジーが果たす役割は重要です。たとえば、各種データ配信やニュース配信のスピードを、テクノロジーによってより高めていくことです。

 もう1つ、テクノロジーとともに大事にしているのが「意思決定のスピード」です。人のスピードといってもいいかも知れません。

──「歴史」「スタートアップ」の共存というのは、とてもユニークに映ります。

石橋氏:テクノロジーの歴史という意味では、ブルームバーグはインターネットが普及するかなり前から、世界最大のプライベートネットワークを構築・運用していました。今では当たり前となったメールやチャット、ECなどが普及する前に、プライベートネットワークを使った商取引やコミュニケーションの仕組みを確立、発展させてきました。

 もう1つは、セキュリティです。我々の主力サービスである「ブルームバーグ プロフェッショナル サービス」には、安全な認証を実現するための各種テクノロジーが投入されています。ID/パスワードによる認証だけでなく、指紋認証やトークンを用いたワンタイムパスワードなど、高度な認証技術の実現に10年以上前から取り組んできました。

【次ページ】AIも積極的に活用するが、データ提供者としての位置づけは変わらない

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