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  • 2017/07/19 掲載

DAC徳久昭彦氏が事例で解説する「データドリブン・マーケティングの3フェーズ」

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データドリブン・マーケティングの考え方が浸透し、データ・マネジメント・プラットフォーム(以下、DMP)の導入や活用が本格化している。しかし、データを活用したマーケティングを磨き上げる方法を理解している企業は少ない。D.A.コンソーシアムホールディングス 専務取締役/ デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(以下、DAC)専務取締役CMO 徳久昭彦氏は、「データドリブン・マーケティングには3つのフェーズがあり、それらが順番にではなく、同時に進んでいく」と語る。3つのフェーズを事例を交えて解説する。

フリーライター 井上 猛雄

フリーライター 井上 猛雄

1962年東京生まれ。東京電機大学工学部卒業。産業用ロボットメーカーの研究所にて、サーボモーターやセンサーなどの研究開発に4年ほど携わる。その後、アスキー入社。週刊アスキー編集部、副編集長などを経て、2002年にフリーランスライターとして独立。おもにロボット、ネットワーク、エンタープライズ分野を中心として、Webや雑誌で記事を執筆。主な著書に『キカイはどこまで人の代わりができるか?』など。

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D.A.コンソーシアムホールディングス 専務取締役
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム 専務取締役CMO
徳久昭彦氏


データドリブン・マーケティングの3つのフェーズ

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 マーケティングを取り巻く環境に大きな変化が起きている。スマートフォンの普及によって、顧客接点が広がり、SNSの影響で企業の評判も大きく左右される時代に入ってきたからだ。顧客の趣味・嗜好も多様化し、顧客理解はさらに難しくなってきている。

 徳久氏は「従来とは異なるデータドリブン・マーケティングの体制や、新しいテクノロジーの導入が企業に求められるようになってきた。また、社内に散在するデータを統合して活用することも重要だ。今後もビッグデータの活用が進んでいくだろう」と説く。

 特に最近では、AIやIoTの登場により、これまでにないデータも増えている。たとえばIntelの自動運転用データ収集装置や、Amazon Echoのカメラ搭載モデルなどのデバイスは、周囲環境や家庭内の膨大なデータを集め、そのデータは新しい分析にも使えるようになるだろう。

 徳久氏は、いままさに進展しているデータドリブン・マーケティングの変化を3つのフェーズでとらえている。

フェーズ1:サードパーティの外部データを使い、広告配信の最適化が行える。
フェーズ2:自社や媒体のデータと外部データを連携させる。
フェーズ3:オフラインデータを統合して、データ種別の拡大と高度な施策を打てるようになる。

 こうしてデータ解析技術が威力を発揮することになる。

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データドリブン・マーケティングの進化は3つのフェーズで進んでいくという。

フェーズ1:サードパーティデータの活用

 まず徳久氏は、フェーズ1「サードパーティデータの活用」について、月間4.8億ユニーク・ブラウザのクッキーデータを保有するDACのDMP「AudienceOne」を活用し、データ分析を実施した例を紹介した。

 徳久氏は、ある住宅機器メーカーのオウンドメディアへのLP(ランディングページ)の訪問者が、本当に顧客になり得るのかを調べた。属性の推定により、年齢・性別・職業、EC購入の頻度、趣味・嗜好など、ある程度の顧客像を把握でき、カスタムターゲティングが行える。さらに、LP流入のきっかけとなる検索キーワードを推定してターゲティングを行い、さらにコンバージョン(CV)ユーザーと類似のユーザーを捕捉し、リーチを効果的に増加させたり、リターゲティングにより高精度なCV確率の予測もできた。

 徳久氏は美容系案件やトイレタリー案件でも類似のアプローチを行い、「このような施策の結果、通常のターゲティングよりも高い効果が得られた」とし、コンバージョン拡張において、一件あたりの広告費用(CPA)が4分の1以下になった案件があることを示した。

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DACのDMP「AudienceOne」を活用し、一件あたりの広告費用が4分の1以下になった事例(美容系)。

【次ページ】フェーズ2:マーケティングデータの統合 LINE、AI活用事例

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