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2017年10月24日

今後10年のITメガトレンド12、「サービスの支配」「デジタル・レイバー」など

ビジネスプロセスのあらゆるところにデジタル化する「デジタライゼーション」が、企業とそのITに抜本的な変革を迫っている。そうした状況下で、経営者や企業ITの責任者は自組織におけるデジタライゼーションをどう進めていけばよいか。IT戦略コンサルティングやIT市場調査などを手がけるアイ・ティ・アール(ITR)代表取締役 プリンシパル・アナリストの内山悟志氏らが「攻めのIT投資に向けた枠組みの整備」などIT戦略に関する12の主要テーマを挙げ、企業が取り組むべきことを解説した。

執筆:吉田育代

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ITRが提唱する主要な12のIT戦略テーマ



「サービスの支配」が今後10年のメガトレンドに

 AIやIoTをはじめ、企業におけるデジタライゼーションの進展とともにIT投資の主戦場は変わりつつある。このほど都内で開催された「IT Trend 2017」にはITRのアナリストが登壇、「2018年に注目すべきIT戦略テーマ」と題したブリーフィングを行った。

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ITR 代表取締役 プリンシパル・アナリスト 内山悟志氏

 1つ目のテーマは「攻めのIT投資に向けた枠組みの再構築」だ。これはITR 代表取締役 プリンシパル・アナリストの内山悟志氏が基調講演で話したテーマだ。

 ビジネスや業務に変革をもたらす“攻めのIT投資”が求められているが、多くの企業でビジネス成長に資する新規投資は全体の1割に満たない。イノベーションを創出するには、そのための予算枠を確保し、小さなサイクルで継続可否判断を行いながら迅速にサイクルを回していく必要がある。

 続いて登壇したのは、同社 取締役 リサーチ統括ディレクター プリンシパル・アナリストの金谷敏尊氏だ。

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ITR 取締役 リサーチ統括ディレクター プリンシパル・アナリスト 金谷敏尊氏

 金谷氏は2つ目のテーマとして「戦略的なサービタイゼーションの展開」について話した。今日、製品販売を超えたサービス提供モデル「サービタイゼーション」が欧米企業を中心に潮流となりつつあり、ITRはこれをメガトレンドとして今後10年以上継続すると見ている。

「サービスビジネスを推進しようとする企業は、モノが支配的な『G-D(Goods Dominant)ロジック』から、サービスが支配的な『S-D(Service Dominant)ロジック』へ転換が進んでいることを認識し、求められるビジネスモデル、管理プロセス、テクノロジーの特性を見据えて戦略を立案しなければなりません」(金谷氏)

 製造業においても確実にデジタライゼーションは進んでいる。

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ITR プリンシパル・アナリスト
浅利浩一氏

 3つ目のテーマである「ものづくりデジタル革新へ向けたライフサイクル管理の確立」を掲げた同社 プリンシパル・アナリストの浅利浩一氏は、「『マスカスタマイゼーション(個別大量生産)』を実現できるスマートファクトリーの構築が、ものづくり企業の今後を左右する」と語った。

 成功の鍵を握っているのは、設計からアフターサービスまで、製品のライフサイクル全体を統合管理する製品データベースの構築。浅利氏は「2020年までに大手製造業の70%がスマートファクトリーの検討に着手する」と予測している。

2020年には大企業の50%がテレワーク制度に対応

 4つ目の「AI/ロボティクスとの共存を前提とした業務プロセスの整備」というテーマで登壇したのは、同社 取締役 シニア・アナリストの舘野真人氏だ。AIやRPA(Robotic Process Automation)などのロボティクス技術が普及、拡大することにより、従来、手作業で行ってきた業務の多くがデジタル化・自動化される「デジタル・レイバー」(Digital Labor)の時代が来ると予測される。

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ITR 取締役 シニア・アナリスト 舘野真人氏

 2020年までに、約40%の企業がAI/ロボティクスを活用した業務の自動化に着手すると舘野氏は見ており、「企業は、人と機械の役割分担を明確化し、両者の共存を前提とした組織体制と業務プロセスを迅速に整備すべきだ」と提唱した。

 こうしたデジタライゼーションは、企業の人材育成にどのような影響をもたらすのか。

 前出の内山氏は、5つ目のテーマとして「デジタルイノベーション人材の育成と確保」というテーマで登壇し、「経営者の多くがすでにデジタル技術の活用を推進できる人材を求めている」と語った。

 この分野を率いるのはプロデューサー、デベロッパー、デザイナー・タイプの人材で、同氏は2020年までに大企業の30%がデザイナー・タイプの人材の育成に着手、 2021年までに大企業の20%がイノベーション人材を外部から採用すると見込む。企業は、長期的な視点でイノベーション創出に向けた人材戦略を検討する時期に来ているようだ。

 新しい人材の育成・確保が重要となる一方、企業内では社員に柔軟な働き方を認める動きも広がっている。舘野氏は、6つ目のテーマ「テクノロジーを活用した組織の目標と価値観の共有」と題し、「テレワークや時短勤務、副業容認などが日本企業の間でも広がっている」と述べた。

「2020年には、大企業の50%以上が、テレワーク制度を勤務規程に正式に取り入れると予測されます。こうした中、モチベーション管理のため、企業では、クラウドとテクノロジーにより人事や人材に関する課題を解決する『HRTech』を活用し、単純な情報共有を超えた、組織の目標と価値観を共有する情報基盤が導入されていくでしょう」(舘野氏)

【次ページ】ベンダー管理、評価体制は2020年には大企業の7割に浸透

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