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  • 2018/05/25

インドで進むアグリテック活用、5億人の農家は仲買人を「排除」できるか

インドでは農業関連産業が最も多くの就業人口を生み出している。特に地方においてはその傾向が著しく、GDPにも多大な影響を与えている。しかし、インドの農業は旧態依然とした設備やインフラ、そして販路開拓の困難さといった多くの課題を抱えている。こうした中、IT大国インドでは、アグリテック(AgriTech)スタートアップ企業が世界のアグリテック投資の10%を集め、従来のサプライチェーンに破壊的なイノベーションを起こしそうな動きを見せている。インド農業でのアグリテックの最前線をレポートする。

エクシール・エフ・エー・コンサルティング ガガン・パラシャー、大塚賢二

エクシール・エフ・エー・コンサルティング ガガン・パラシャー、大塚賢二

ガガン・パラシャー

IILM卒。財務分析、投資コンサルティング、ビジネス調査の経験を経てBig4系列で法人事業コンサルティングに従事。その後X-Ciel Consulting Pvt. Ltd.を立ち上げ、エクシール・エフ・エー・コンサルティングに参画。インド北部ノイダで活躍中の気鋭のコンサルタント。


大塚賢二

東京大学法学部卒。金融機関、Big4系列コンサルティングファーム勤務等を経て現在、株式会社ファルチザンの代表を務める。中小企業の海外進出、金融機関の経営管理・内部統制の支援に注力。エクシール・エフ・エー・コンサルティングではガガン・パラシャーとともに中小、ベンチャー企業のアジア進出を支援。

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農業に従事する人口が大きいインド。アグリテックの影響も大きい。
(© Montri - Fotolia)

多くのインド農家の月間平均収入は100ドル未満

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 都市部ではテクノロジーが多くのサクセスストーリーを残している一方で、インド13億の人口のおよそ70%が住む地方では農業が主要産業である。地方に暮らす人の58%以上が主な生計を農業に頼っている。あくまで概算だが、インド国民の少なくとも5億2000万人が農業に従事していることになる。そして彼らは、古い設備、質が劣っているインフラ、販路開拓が困難なことによる薄い利益といったさまざまな課題に苦しんできた。

 インド農家の多く(実にその85%以上)の月間平均収入は100ドルに満たず、耕地面積も2ヘクタール以下にとどまっている。

 インドの農業生産性が低い理由の1つに、テクノロジーの利用不足が挙げられる。他の要因としては、時折やってきては激しい雨を降らせるモンスーン、予想できない気候変動、耕地面積の減少、サプライチェーンの非効率性などが挙げられる。

世界のアグリテック投資の10%がインドに向けられている

 しかし現在では、アグリテック(AgriTech)と呼ばれる農業テクノロジーが進展し、インドでは多くのスタートアップ企業が活躍している。

 世界ではこれまでに、アグリテック企業に対して32億3,000万ドル以上が投資され、そのうちインドのアグリテックスタートアップ企業には少なくとも53社、3億1,300万ドルの投資がされている。

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インドのアグリテック分野スタートアップ企業の資金の使い方

 こうした全世界での投資の40%以上は食料品eコマースや食料品市場へ、それに次ぐ22%はバイオテクノロジー分野へ向けられている。農地・農作物の状態を良く観察し、きめ細かく制御し、その結果に基づき次年度の計画を立てる一連の農業管理コンセプト「精密農業」テクノロジーへの投資も4億500万ドルに上る。

 4番目の投資対象には「ノベル・ファーミング・システム(Novel Farming Systems)」がある。これは、イノベーション技術を用いて土地・水・農薬の使用を最小限にし、環境保護を重視した農産品の生産を目指すもので、この分野には2億4,700万ドル以上が投資されている。

【次ページ】衛星データも活用、インドのアグリテック4事例化

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