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  • 2019/11/11

リニューアル前に理解したい、レガシーシステムはなぜ「レガシー」になったのか

人材確保やノウハウ継承の難しさなどから、レガシーシステムが世界規模で危惧されている。これを機にシステム刷新やDX(デジタルトランスフォーメーション)を考えている企業も多いが、そもそもなぜシステムはレガシー化するのか、どうすればレガシー化を防げるのかを理解しているだろうか?。2019年10月に開催された「IT Trend 2019」(主催:ITR)にITR プリンシパル・アナリスト 浅利浩一氏が登壇。企業のシステム導入取り組み状況を報告するとともに、レガシー化を回避するエンタープライズシステムのプランニング戦略を提示した。

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そもそもなぜレガシー化するのか理解していなければ、刷新しても同じ道をたどりかねない
(Photo/Getty Images)


「5~10年でレガシー化」が最も多い

 2019年9月、ITRでは企業(従業員数100名以上)のIT戦略および業務システム導入などにかかわる役職者に対し、その取り組み状況を調査した。それによると、回答企業で相対的に重視されているシステムは、新規分野のシステム、業種特化系・事業系システム、ITインフラ系システムであることが判明した。

 その一方で、レガシー化しているシステムも存在し、業種特化系・事業系システム、予算・経費管理分野の本社系システムなどがレガシー化しているという認識が高くなっている。しかも、レガシー化システムすなわち経過年数が長いシステム、ということではないらしい。5年から10年程度の経過年数でもレガシー化しているシステムはあり、「あてはまる」「ややあてはまる」を合わせると56%で、実は最も割合が高い。

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ITR
プリンシパル・アナリスト
浅利 浩一氏

 経過年数の長い“骨董(こっとう)品”のみならず、「レガシー」とみなせるシステムについては刷新を検討すべきだとITR 浅利 浩一氏は語る。図1は回答企業の2025年までのシステム刷新計画を示したものだ。

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図1:企業における2025年までのシステム刷新計画

 「全面的に強化または刷新する」「部分的に強化または刷新する」を合わせると、過半数以上の企業が2025年までに全分野でエンタープライズシステムの強化・刷新を計画していることがわかる。中でも新規分野のシステムに対する強化・刷新意欲が最も高く、次いで業種特化系・事業系システム、ITインフラ系システムが高い。

レガシーシステムの4つの特徴

 では、「レガシー」なシステムには具体的にどのような特徴があるか。図2は、浅利氏が定義したレガシーシステムの特徴だ。

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図2:レガシーシステム 4つの特徴

 大きく「老朽化している」「規模や影響範囲が大きい」「学習できない」「孤立している」という4つが挙げられるという。

「老朽化は、ハードウェアや技術が古くなっているという以上に、人間を通じたコミュニケーションが途絶えているのが大きいと思います。『こういう目的で開発した』『こういう理由で改修した』といったことが伝承されていないために、ブラックボックス化してしまっています」(浅利氏)

 しかし仮にそうであっても、そのシステムを本番並みのテスト環境で動かして再現したり、フォローするドキュメントが残っていれば学習することができる。そういった環境が存在せず学習できない、というのもレガシー化していく要因の1つである。

「また、最初は設計に沿って構造的に作られていたものが、大規模化するうちにそれが維持できなくなり、非構造化してしまいます。そのために保守も拡張もリプレースも容易でなくなるのが、“規模や影響範囲が大きい”システムの特徴です。さらにレガシー化は、『システムの問題なのだからIT部門や情報子会社が何とかしろ』となりがちです。結果、リスク回避で先送り・放置されるために孤立してしまうのです」(浅利氏)

 浅利氏は実際のITR支援事例を挙げてレガシー化の実態を説明した。ある事例ではなんとプログラム資産の80~90%が不要だったが、こういう“極端なケース”の方が、プロジェクトの規模は大きくなるものの抜本的に手を入れられるためROI(投資対効果)を明確に出しやすいという。一方、別の事例では不要率30~40%という結果が出た。再利用できる部分がかなり存在するというのは良いことなのだが、こちらはマイグレーション(移行)するか再構成するか迷うことになる。移行期間も長期化しがちで、かえってROIが出しにくいようだ。

【次ページ】システムがレガシー化する原因に潜む負の日本組織文化

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