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  • 2020/12/22

総務省の「電波政策」、知っておくべき5つのポイントとは? 篠崎教授のインフォメーション・エコノミー(第129回)

篠崎教授のインフォメーション・エコノミー(第129回)

コロナ禍で揺れ動いた2020年も残りわずかとなった。5Gの本格的な運用開始など、今年はインフォメーション・エコノミーの領域で「電波」が注目された。経済社会のモビリティ化が進む中、電波の価値は今後ますます高まっていくだろう。日本の電波政策を担う総務省は11月30日に「デジタル変革時代の電波政策懇談会」を開催し、電波利用の将来像、政策上の課題、新たな目標の設定、実現の方策などの議論を始めた。今回は年末特別号として、「インフォメーション・エコノミー」の観点から、日本経済の活性化に向けて何が重要かを考えてみよう。

九州大学大学院 経済学研究院 教授 篠崎彰彦

九州大学大学院 経済学研究院 教授 篠崎彰彦

九州大学大学院 経済学研究院 教授
九州大学経済学部卒業。九州大学博士(経済学)
1984年日本開発銀行入行。ニューヨーク駐在員、国際部調査役等を経て、1999年九州大学助教授、2004年教授就任。この間、経済企画庁調査局、ハーバード大学イェンチン研究所にて情報経済や企業投資分析に従事。情報化に関する審議会などの委員も数多く務めている。
■研究室のホームページはこちら■

インフォメーション・エコノミー: 情報化する経済社会の全体像
・著者:篠崎 彰彦
・定価:2,600円 (税抜)
・ページ数: 285ページ
・出版社: エヌティティ出版
・ISBN:978-4757123335
・発売日:2014年3月25日

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2020年11月30日、総務省は「デジタル変革時代の電波政策懇談会」を開催した。今後の日本経済の活性化に向け、どのような点が重要になるのだろうか
(Photo/Getty Images)
 

注目される「電波」の価値

 2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大によって世界の景色が一変した。多くの国々でロックダウン(都市の封鎖)や厳しい行動制限措置が取られ、人々の交流のあり方は抜本的な変容が迫られた。

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 こうした中で改めて実感できたのが「エッセンシャル・テクノロジーとしてのICT(情報通信技術)」の重要性だ。在宅勤務、遠隔(オンライン)授業、遠隔医療など、コロナ禍にあって社会活動を維持していくためにはICTの存在が不可欠だと再認識させられた。

 コロナ禍で一気に広がった「遠隔◯◯」は、「離れてしまう」ことを意味するのではなく、「離れてつながる」ことを意味している。会社、学校、医療、行政機関の情報化は、それぞれの拠点だけで閉じて完結すれば良いわけではない。「離れてつながる」仕組みは、個人(自宅)の情報化と両輪を成してはじめて機能する。

 2020年3月から本格運用が始まった5Gは、それを支える象徴的な基盤だ。長距離移動が制限される中にあって、身の回りの空間では固定されず移動の柔軟性を確保するには、電波の利活用が欠かせない。電波の「価値」が注目される所以(ゆえん)だ。

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コロナ禍にあって社会活動を維持していくためにはICTの存在が不可欠だと再認識させられた
(Photo/Getty Images)
 

「電波政策懇談会」の検討事項とは

 そうした中、電波政策を担う総務省は「新たな日常の確立や経済活動の維持・発展に必要な社会全体のデジタル変革」に向けて「有限希少な国民共有の資源である電波を有効に利用」し「経済と社会を活性化」すべく「デジタル変革時代の電波政策懇談会」(座長は三友仁志早稲田大学教授)での議論を開始した。

 座長ほか10名の構成員から成る懇談会の検討事項は、第1に「電波利用の将来像」、第2に「デジタル変革時代の電波政策上の課題」、第3に「新たな目標の設定とその実現方策」だ。

 具体的な論点としては、新たなサービス・ビジネス・社会のイメージ、および、電波帯域確保の目標設定のあり方が挙げられている。

 構成員の1人として筆者が参加した2020年11月30日の第1回会合では、電波利用に関する現状と課題が示されたのち、検討事項に関連して10名の構成員がそれぞれの問題意識と見解を述べた。

【次ページ】経済面で重要な5つのポイント

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