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  • 2022/03/02

物流現場の「非正規差別」、その実態を理解するだけで“職場”と“採用”が劇的変化?

連載:「日本の物流現場から」

物流業界で今、非正規雇用労働者に関する議論が過熱している。2021年11月に発生した日立物流西日本の物流センター火災は医薬品供給体制に少なからぬ影響を与えたが、放火の容疑者として逮捕されたのが19歳の派遣社員。筆者の知る物流関係者には、「だから正社員じゃないと駄目なんだよ」と口にする人もいる。普段から、非正規労働者に対し、「レベルやモラルが低い」と断じる人が少なからずいるが、果たして本当にそうなのだろうか。本稿では、この議論に加え、優秀な非正規労働者を雇うために、企業が取るべき対策やスタンスを考える。

執筆:物流・ITライター 坂田 良平

執筆:物流・ITライター 坂田 良平

Pavism 代表。元トラックドライバーでありながら、IBMグループでWebビジネスを手がけてきたという異色の経歴を持つ。現在は、物流業界を中心に、Webサイト制作、ライティング、コンサルティングなどを手がける。メルマガ『秋元通信』では、物流、ITから、人材教育、街歩きまで幅広い記事を執筆し、月二回数千名の読者に配信している。

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なぜ物流現場で非正規差別が起こるのか。優秀人材を確保するためには何が必要か
(Photo/Getty Images)

「非正規差別」はびこるニッポン

 そもそも、日本は非正規労働者に対して、何かと厳しい。これは、社会保障などの社会制度だけの話ではない。世間から向けられるパートやアルバイト、派遣社員といった非正規労働者に向ける評価や認識も冷ややかだ。

 かつて私は、引っ越し会社で正社員として働いていたが、ある現場から応援を要請されたことがあった。お客さまは、「なぜ、アルバイトを寄越すんだ! 社員じゃないのが気に食わん」と怒っているらしい。現場リーダーは、フリーターではあったが、社歴は私よりも長いし年上である。そもそも私はその人から仕事のいろはを教わった。つまり、信頼できる人物であったのだ。

 お客さまは、気に入らないフリーターの現場リーダーよりも明らかに年下の私に、最初は面食らったようだ。だが私が正社員であったことで溜飲が下がったらしく、その後の引っ越し作業は滞りなく終わった。

 言っておくが、私が何か特別なことをしたわけではない。お客さまは、人生の節目であり、晴れの日であるはずの引っ越し当日に、アルバイトが来たことが気に食わなかっただけなのだ。そこで正社員が現れ、おわびを二言三言述べたことで、気持ちが収まっただけである。

 残念ながら、非正規労働者を低く見る人は存在する。冒頭に述べた物流センター火災において、派遣社員が逮捕されたことを知り、「派遣社員なんかを使っているからだよ」と論じた人の中にも、このような傾向は少なからずあるだろう。

面接で「問題を起こしそうな人」を見抜くは“ムリ”

 「私は20年以上、人材ビジネスに関わってきましたが、結論から言うと、『問題を起こしそうな人物』を見抜くことは、限りなく難しいです」──このように語るのは、単発アルバイトのマッチングサービス「マッチボックス」を提供するMatchbox Technologiesのセールス統括本部 副本部長 坂入章夫氏である。

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Matchbox Technologies
セールス統括本部 副本部長
坂入章夫氏

 坂入氏は、以前から大手人材派遣会社で人材ビジネスに携わってきた。職務上、数千人の非正規労働者と向き合ってきた坂入氏でも、「問題を起こしそうな人物を見抜くことは難しい」と言っているのだ。

「一見、真面目そうでも、いざ雇用すると無断欠勤を繰り返す方もいれば、口下手でコミュニケーションが苦手な方でも、いざ働き始めるとマジメで周囲から高い評価をされる人もいます」(坂入氏)

 それはそうだろうと思う。リトマス試験紙のように、面接時に人の素養を簡単に見抜く方法があるわけがない。であれば、問題を起こさないように予防策を張るしかない。

【次ページ】トラブル予防の特効薬は?「優秀人材」の採用方法と併せて解説

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