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  • 2022/06/28 掲載

マイクロソフトやディズニー、米大手企業が今ゲーム市場に注目する納得理由

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新型コロナウイルスの流行によって、リモートワークの普及など経済・社会のさまざまな側面で大規模かつ恒久的な変化がもたらされた。ゲームの普及もその一つだ。コロナ禍により、米国だけでゲーム人口は2015年から1億人近く増加。かつてゲームは一部の若者のみに限定されるものだったが、今では「万人の趣味」になったともいわれている。この変化を受け、マイクロソフトやメタ、ディズニーなどの米大手企業でもゲーム関連の取り組みが加速している。なぜこれらの企業がゲーム事業への進出を強化するのか、最新動向を探る。

執筆:細谷 元

執筆:細谷 元

バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
http://livit.media/

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ゲームは今や「万人の趣味」になっている
(Photo/Getty Images)

「万人の趣味」となったゲーム

 リモートワークが広く普及したように、パンデミックによって経済社会のさまざまな側面で構造的な変化が起こった。

 ゲーム市場も例外ではない。最近発表されている複数の市場レポートからゲーム市場で起きている大きな変化を見てとることができる。世界最大のゲーム市場である米国の状況を見てみたい。

 米国における直近のゲーム利用者数は2億1500万~2億2000万人と2015年比で1億人近く増加している。外出自粛の要請などが追い風となり、コロナ禍で利用者を伸ばした格好だ。

 これは米国の有力なゲーム業界団体「Entertainment Software Association(ESA)」が毎年発表している調査レポートより明らかになったもので、ゲーム関連企業の多くが注目する数字でもある。

 ESAが2015年4月に発表したレポートでは、米国で週3時間以上ゲームをプレイしたという人の割合が42%であることが判明。ESAは、この数字をもって米国のゲーム人口を1億5000万人以上であると推計している。ただし、当時の米国人口は3億2000万人ほどで、42%という割合で計算すると、1億3440万人という数字となる。ブレはあるが、2015年当時の米国ゲーム人口は1億3000万~1億5000万人であったとするのが妥当と思われる。

 そして、ESAがこのほど発表した2022年版レポートでは、米国で1週間に1回以上ゲームをプレイする割合が66%と、2015年比で24ポイント増加していることが判明。現在の米国人口は約3億3400万人、66%で計算すると、同国のゲーム人口は2億2000万人ほどとなる。米国ゲーム人口は、2015年の1億3000万人から2022年の2億2000万人と、約9000万人ほど増えていることが推測されるのだ。

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米国では、ゲーム人口が増加している

 ゲーム市場では、量的に大きな変化が起こっていることに加え、パンデミックの影響で質的にも大きな変化が起こったことが観察されている。

 ESAのスタンリー・ピエール・ルイスCEOがProtocolの取材で語ったところでは、米国ゲーム市場ではパンデミック以降、ゲームがストレス解消やメンタルヘルスの維持に効果的であると考える人が増加。同国では実に97%が、ゲームはメンタルヘルスに良い影響を与え、かつスキル開発やコミュニティー構築に効果的であると考えているという。

 ピエール・ルイスCEOは、量的・質的な変化を示す一連のデータから、パンデミックによって「ゲームが万人の趣味になった」と指摘。この変化を受け、市場プレイヤーの取り組み・アプローチも今後大きく変わってくる可能性が見込まれる。

マイクロソフトは約10兆円でゲーム企業買収を計画

 パンデミックでゲーム人口が増えたことに加え、ゲームと他領域の境界線が希薄化していること、またメタバースの盛り上がりなども手伝い、テック企業やエンタメ企業もゲーム市場を無視できない状況が生まれている。

 「境界線の希薄化」に関して、ソニーのプレイステーションで映画やYouTubeを視聴できる点や、人気ゲーム「フォートナイト」で開催された音楽イベントが数千万人の集客に成功していることなどが、その具体例として挙げられる。ゲームが他のエンタメ領域へのアクセスポイントになっているのだ。

 マイクロソフトは2022年1月にゲーム開発企業Activision Blizzardを687億ドル(約9兆2487億円)で買収する計画を発表した。この額はマイクロソフトの買収案件の中で史上最大額。ゲームを中核としない企業がゲームを無視できない状況となっていることを表す好例といえるだろう。

 またマイクロソフト/Xbox Game Studiosは6月12日、日本のゲーム開発企業コジマプロダクションと提携。すでに新作ゲームを開発していることを発表するなど、ゲーム市場での取り組みを着々と拡大している。

【次ページ】メタはクラウドゲーミングも注力

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『ゴジラ』の売上構成を大解剖、なぜ儲かる?米国ファンを取り込む“ある手法”が凄い

俯瞰して、キャラクターを見られたレポートですね。
実際に体験してきた世代としては異なる印象を受けます。
今回の-1.0は、日本映画のフォーマット、(黒沢や小津のような戦後日本の傷ついた心を抱いた人々、荒廃した国土の中で生きようとする日本人を描いたフォーマット)や、
人を背景のボケとともに丹念に映すカメラワークを踏襲した上にゴジラというキャラクターを載せた作品と思います。
米のラ・ラ・ランドみたいなものです。その視点から見ると日本の文化的状況は爛熟期を迎え(韓国もそうですが)世界的に魅力あるオリジナリティを生み出せる成長をしたと思われます。確かにUSがゴジラのキャラクターを作り続けてくれたラッキーさ、それによるZ世代を中心とした日本に対する理解力ある米国人が増えた。はありますが、今現在、あちらはポリコレだのキャラクターの焼き直しだので、映画は没落気味です。
経済が頂点を迎えた後に文化的状況が世界に魅力を振りまき、その後没落していくのは歴史の教えるところと理解しています。
米は傾き始めたのか、復活するのか。
日本はこの文化興隆をうまくビジネスに乗せられるのか、日本人がみな気が付き始めたのでこの流れが加速すると思います。
映画、音楽、ビジュアル(絵画・写真・動画)3次元的表現などの文化をグローバルに浸透させうるチャンスですね。そういう歴史的観点からキャラクターを見るともっと永続するものもあると思います。
日本は、災害の多い国です。おのずと災害をキャラクター化しますので
戦争や動乱が頻発する現代には適したキャラクターがいくつもあると思います。

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