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  • 2023/01/19 掲載

なぜ、サンリオは根強いファンが多い?脳科学で解明されつつある「優良顧客」が集まる理由

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消費者や従業員などのステークホルダーから信頼や愛着を獲得している企業として、サンリオとベネッセホールディングスが密かに注目を集めはじめている。そんな両社の共通点が「カワイイ(Kawaii)」を経営に取り入れているという点だ。なぜ、カワイイという要素を事業に取り入れると、企業を長く支持してくれる根強いファンを獲得できたり、従業員の定着に効果があるのか。サンリオやベネッセが実践する、心理学や脳科学に基づく新しい経営コンセプト「Kawaii経営」の実力について、その提唱者であるPwCコンサルティング Strategy&の髙木健一氏に話を聞いた。

解説:PwCコンサルティング Strategy& ディレクター 髙木健一

解説:PwCコンサルティング Strategy& ディレクター 髙木健一

消費財・小売をはじめとする幅広い業界に対する全社戦略、事業戦略、顧客戦略、イノベーション戦略、HR戦略といったテーマでの戦略コンサルティングを手掛ける。ウェルビーイング/ウェルネス/幸せを起点とした企業経営に関する第一人者としての顔も併せ持ち、多数のメディアでの情報発信や、PwCグループ横断イニシアチブである「幸福度イニシアチブ(Happiness and Well-being Design Initiative)」のリードを行う。著書に『Kawaii経営戦略 幸福学×心理学×脳科学で市場を創造する』(株式会社日経BP 日本経済新聞出版)がある。ベネッセコーポレーションにてマーケティング・編集業務、ボストン コンサルティング グループ(BCG)、アクセンチュアにてコンサルティング業務を経験し、現職。

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サンリオ・ベネッセも実践している? 新しい経営コンセプト「Kawaii経営」がもたらす効果とは?
(写真:つのだよしお/アフロ)

脳科学・心理学に基づく「Kawaii経営」とは

 Kawaii経営とは、人々に幸福感を感じさせるカワイイという要素を使って、消費者や従業員などステークホルダーのエンゲージメントを高めようとする、パーパス経営のアプローチの1つだ。
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PwCコンサルティング
Strategy& ディレクター
髙木健一氏

 なぜ、カワイイという切り口を使って幸福度を高めることが、ステークホルダーのエンゲージメントにつながるのだろうか。

 PwCコンサルティングとサンリオエンターテイメントが行った『全国Kawaii実態・幸福度調査2021』では、幸福度が高い人ほど消費意欲が高く、LTV(顧客生涯価値)やNPS(顧客推奨度)も高くなる傾向があるという結果が出ている。また、幸福度の高い従業員の退職率が低くなる傾向などが出ているのだ。

 PwCコンサルティング Strategy& ディレクター 髙木健一氏は、「この20年くらいの間に、世界では幸福度に関する研究がとても進歩してきました。ある学術調査でも、幸福度がエンゲージメントや良好な関係性、さらには生産性や創造性に深く関係していることが分かってきているのです。これは脳科学や心理学の分野でも証明されてきています。こうした幸福度の高い人の特徴を踏まえると、ステークホルダーの幸福度を高めるために働きかけたり、幸福度の高い人を見極めマーケティングに活用したりすることで、企業は社会的にも経済的にもメリットを得られると考えています」と語る。

 その上で、幸福感を創出させる1つの手段・切り口としてカワイイという要素が最適という。髙木氏は「カワイイには“親しみやすさ”や“癒される”といった感情からくる『カワイイ』もあれば、『キモカワイイ』や『ダサカワイイ』など、否定的でありながら”好き”や”支持”を含む感情があります。このように肯定的・包摂的な感情を広く含んでいることからカワイイという要素は、幸福感を創出させる切り口として使いやすいと考えています」と話す。

 実際にカワイイという要素はどのように経営に生かすことができるのだろうか。ここから、マーケティングにおけるカワイイの活用法や、サンリオ、ベネッセが実践しているKawaii経営とその効果を解説する。

【次ページ】「カワイイ」がマーケティングの精度を高める理由

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