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- 2023/03/20 掲載
4割超が自覚「10年以内にビジネス破壊」、迫る「フルデジタルの世界」にどう備える?
「メタバース=VR」ではない
ガートナーが2022年9月に発表したハイプサイクルにおいて、メタバースはNFTやweb3にならび、「過度な期待」のピーク期にあると位置づけられている。これから幻滅期に入ると考えられるメタバースには、振り回され過ぎずに中長期のメガトレンドを踏まえて戦略、展開を開始することが重要となる。また、メタバースには誤解も多い。メタバースと聞くと、VRのことだと考えている人は多いかもしれない。たしかにVRは見た目にも分かりやすく、VRがすなわちメタバースだとして紹介されるケースは少なくない。しかし、「メタバースはVRだけのものではなく、フルデジタルの世界だと捉えることが重要」と亦賀氏は指摘する。
「メタバースは、特定のテクノロジーを指すものではなくテクノロジーの集合トレンドであり、時代変化を象徴するキーワードです。中長期のインターネットの新たな革新であり、産業革命的なインパクトを社会にもたらすものです」(亦賀氏)
今後10~20年で間違いなく進む「フルデジタル」とは
「今、特に日本は歴史的な転換期を迎えています。これは江戸時代から明治時代になったくらいの大転換です。『メタバース』という言葉はバズワードとして終わるかもしれませんが、『フルデジタル』の世界へ向かう事実は変わりません」(亦賀氏)フルデジタルには、2つの方向性がある。「デジタルのリアル化」と「リアルのデジタル化」だ。VRは、このうちの「デジタルのリアル化」に当たる。一方の「リアルのデジタル化」は、ARやジオロケーション、デジタルツインなどをイメージすると良いだろう。
ガートナーは、今後すべてのリアルの環境はクラウド、AI、IoT、ブロックチェーン、Software-Defined Vehicle(SDV)、次世代リアル店舗、空飛ぶ自動車、ドローン、ロボット、5G/6G、VR/AR/MR/XRなどのさまざまなテクノロジーが絡んでデジタル化が進行するとしており、その中で「自動車や店舗は『人』に新しいユーザーエクスペリエンスをもたらすデバイスとなる」というビジョンを示している。
今後リアルのデジタル化は10~20年かけて進行し、フルデジタルの世界に向かう。メタバース初期と言える現段階で必要なのは、時代の変化に対応することだ。 【次ページ】すでに実践段階、押さえておくべき技術トレンド
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