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  • 2024/03/27 掲載

AIプラットフォームとは何かをわかりやすく解説、AWSやGCPら11社比較と選定ポイント

連載:デジタル・マーケット・アイ

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あらゆる企業がDXを通して競争力の拡大に努める中、AI活用は有用な手段として重宝されている。そうした中で、AIシステムなどを開発するのに重要な役割を担うのがAIプラットフォーム(AIシステム開発基盤とも呼ばれる)だ。ここでは、データ収集・処理、モデル構築など、AIの構築に必要な機能などが備えられているサービス群をAIプラットフォームと定義。本記事では、AIプラットフォームの種類やメリットなど基礎を解説するとともに、Amazon Web Services(AWS)やグーグル、マイクロソフト、IBMなどの主要プレイヤーなどについても紹介する。
執筆:ビジネス+IT編集部

執筆:ビジネス+IT編集部

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AIプラットフォーム(AIシステム開発基盤)とは何か
(Photo/Shutterstock.com)

AIプラットフォーム(AIシステム開発基盤)とは

 AIプラットフォームとは、AIを開発するために必要な機能やデータがまとまっているシステムのこと。AIシステム開発基盤とも呼ばれる。AIプラットフォームを利用することで、AIの開発環境を簡単に構築できるとともに、機械学習やデータ解析などのAI技術をビジネスに適用できることを支援する。

 AIプラットフォームは、コロナ禍におけるDXの加速や、ビジネス課題の解決を可能にするAI技術の進化によって、需要が高まっている状況だ。

AIプラットフォームの種類

1ページ目を1分でまとめた動画
 AIプラットフォームを大別すると、総合型AIプラットフォームと特化型AIプラットフォームに分けることができる。

■総合型AIプラットフォーム
 総合型AIプラットフォームは、AI開発に必要な基盤やツールを総合的に提供するプラットフォームを指す。たとえば、Amazon SageMakerやGoogle Vertex AI 、IBM Watsonxなどがこれに該当する。総合型AIプラットフォームのメリットは、AI開発に必要な環境を自社で構築する必要がなく、柔軟なスケールアップが可能なことだ(各サービスの特徴の詳細は追って解説する)。

■特化型AIプラットフォーム
 一方、特化型AIプラットフォームとは、特定の業界や業務に特化したAIソリューションを提供するプラットフォームだ。たとえば、製造業に特化したMANUFACIAや、小売や製造など5つの業種を中心に提供するClarifaiなどがこれに該当する。特化型AIプラットフォームのメリットは、業界や業務に合わせた最適なAIモデルを提供しており、導入や運用が容易である点だ。自社の業界に特化したAIプラットフォームがある場合は、特化型の製品を検討するのもよいだろう。

AIプラットフォームの主要機能

 AIプラットフォームは、AI開発を支援するための主要な機能を備えている。具体的には、データ収集、データ処理、モデル構築、再学習の4つだ。

■データ収集
 データ収集は、AIに学習させるためのデータを収集する機能。データ収集には、データの入力やラベリング、クレンジングなどの作業が含まれる。

■データ処理
 データ処理は、収集したデータをAIに適した形式に変換する機能。データ処理には、データの分割や正規化、特徴量抽出などの作業が含まれる。

■モデル構築
 モデル構築とは、データを基にAIの学習モデルを構築する機能。モデル構築には、モデルの選択やパラメータの調整、評価などの作業が含まれる。

■再学習
 再学習とは、新たなデータやフィードバックを基にAIの学習モデルを更新する機能。再学習には、モデルの再学習やデプロイ、モニタリングなどの作業が含まれる。

AIプラットフォームの導入メリット

 AIプラットフォームの導入で得られる主なメリットは次の通りだ。

■AI開発の期間・コストの抑制
 AIプラットフォームを導入する最大のメリットは、AI開発の期間やコストを抑えられる点にある。AIプラットフォームは、AIの学習データやモデル、ツールなどがクラウド上で提供されるため、自社でAI開発の環境を構築する必要がない。また、AIプラットフォームは、AIの開発や運用を自動化する機能を備えているため、手作業や人的ミスを減らすことができる。

 このようなメリットによって、AI開発の期間やコストを大幅に削減できるのだ。

■ノーコードを利用した開発
 もう1つは、ノーコードを利用することでITの専門家でなくても開発できる点だ。AIプラットフォームは、ノーコード開発のサポート機能を備えている場合もある。それを活用することで、ビジネスユーザーやドメインエキスパートなどITの専門家でない人でもAI開発に参加可能だ。

 このメリットによって、AI開発の敷居が低くなり、多様な視点やアイデアが生まれる可能性が高まる。

日本におけるAI関連市場

 まず、ITRが2023年8月に発表した「対話型AI・機械学習プラットフォーム市場2023」における機械学習プラットフォーム市場(注)について、アイ・ティ・アール(ITR) シニア・アナリストの舘野 真人氏は、同市場における注目ポイントとして、「生成AIへの対応」「アプリケーション開発機能の充実化」「大手クラウドベンダーの台頭」の3点を挙げる。
 
注) 機械学習プラットフォーム市場は、学習データの選定や前処理、予測モデルの生成・評価といった工程を自動化し、専門知識を持たない担当者でも機械学習を活用できる製品・サービスが対象。また、需要予測や異常検知を支援する製品・サービスも含まれる。

 1点目の生成AIの対応について、同氏は「ここ1年で、多くのベンダーが生成AIのサポートを新たに発表しました。LLM(大規模言語モデル)との連携はもとより、プロンプトエンジニアリングの実行やベクトルデータベースの作成などに対応することで、従来型の予測AIと生成AIの両方をプラットフォーム上で利用可能にする戦略を打ち出しています」と説明。

 続けて、「2点目については、各社、ノーコード/ローコードや、AIによるコーディング支援機能なども備えるようになっています。また3点目については、AWS、Google、Microsoftといったクラウドベンダーが、AI/機械学習やアプリ開発・実行機能を強化しています。今後は、クラウドベンダー同士の競争が激化する可能性があるとみています」と語る。

 一方、IDC Japanが2024年3月に発表した国内AIインフラ市場予測では、2023年の支出額ベースで前年比46.1%増の1,094億8,900万円となった(図)。同市場は、AIサーバとAIストレージで構成され、AIプラットフォームやAIアプリケーション、AI対応従来型アプリケーションなどを1つ以上実行するサーバもしくは外付型ストレージシステムを対象としている。

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AIインフラ市場はCAGR16.6%で推移する見込み
(IDC リリースより編集部作成)

 2024年以降も引き続きAIインフラへの投資意欲は旺盛であることを見込み、2027年の市場規模は1,615億5,000万円となる、とIDCは予想している。なお、2022年~2027年のCAGR(年間平均成長率)は16.6%を見込む。

 生成AIを中心としたAIへの関心の高まりとともに、AI活用はすそ野の広がりを見せている。そのためAIシステムの開発も活発化を見せており、AIプラットフォームへのニーズの高まり、およびAI関連市場の拡大が今後も続きそうだ。

AIプラットフォームの選定ポイント

 AIプラットフォームを選ぶ際には、以下のような3つのポイントに考慮する必要がある。

1.導入の目的や解決すべき課題
 まずは、AIプラットフォームを導入する目的や課題を明確にする。たとえば、顧客満足度を向上させるためにどんなチャットボットを作りたいのか、品質管理を効率化するためにどのように不良品検知を行いたいのか、といった具合だ。

2.目的や課題に合った機能
 目的や課題に合わせて、必要な機能やサービスを選ぶ。たとえば、画像や音声などのメディアデータを扱う場合は、それらの分析機能を持つAIプラットフォームを選ぶ必要がある。また、自然言語理解や機械学習モデル構築などの汎用的な機能も重視するとよいだろう。

3.対応業界の確認
 特定の業界や業務に特化したAIプラットフォームを選ぶ必要がある場合は、AIプラットフォーム、およびその提供会社がその業界や業種に対応できるか確認すべきである。たとえば、小売業や製造業などの業界に特化したいのであれば、その業界におけるベストプラクティスがあるか、業界のノウハウを反映させているか、など確認したい。

AIプラットフォームの主要ベンダー11社

 少し古いが、ここでは2023年の「2023 Gartner Magic Quadrant for Cloud AI Developer Services(CAIDS)」の中からリーダーに分類された4社、チャレンジャー2社、ビジョナリー1社、ニッチプレイヤー4社を紹介する。

リーダー Amazon Web Services(AWS)
グーグル
IBM
マイクロソフト
チャレンジャー Alibaba Cloud
バイドゥ
ビジョナリー H2O.ai
ニッチプレイヤー Clarifai
Huawei Cloud
オラクル
テンセント
(ガートナーの資料を基に編集部作成)

 今回は各リーダー企業の特徴を次の通り紹介する。 【次ページ】各ベンダーの特徴を詳しく解説

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