- 2025/04/30 掲載
ポケモンで例える「自己欲求・自己能力・自己機能」、自分を知って進化を目指す(2/3)
1.自己欲求:願望ではなく、無意識にやってきたこと
自己欲求とは、あなたの無意識にある欲求のことです。ポケモンで言うと、あなたが何タイプなのかを見ていきます。
「これをやってみたい!」とか「いつかはやりたいなあ」といったものではなく、「誰かに止められても思わずやってしまうこと」「呼吸をするくらい当たり前にやり続けてきたこと」「苦もなくやってきたこと(やれてきたこと)」などを指しています。
つまり、その答えはあなたの過去にあります。
たとえば、「先生や親に『いい加減にしなさい』と止められても、夢中でマンガを描いていた」とか、「昔から机も部屋も整理整頓してキレイにしていた」とか、「集団になるといつもリーダー的な役割をしていた」とか、そういった行動です。
私の場合であれば、「いじめられっ子がいると助けてしまう」や「物事を大本から考える」や「仲間と楽しく遊ぼうとする」などが該当します。
ここでポイントとなるのは、願望ではなく、あなたが【実際にしていたこと】であるかどうかです。
ある企画系の女性が「初対面の人と会うのがまったく苦ではない」と言っていましたが、仕事においても思わずやってしまうこと、当たり前のようにやってしまうことがあるはずです。
「えっ、それって欲求ですか? 欲求ってもっと強いものではないのですか?」と疑問に思う人がいるかもしれません。
あなたの無意識にある自己欲求というのは、自然にやってきてしまったことなので、自分では当たり前すぎて気づけないことも多いのです。
「長い休みをもらえたら海外旅行に行きたいです」とか「ボーナスが出たら楽器を習い始めたいです」といったことは、自己欲求ではありません。「いつかは……」というのは、今はまだやっていないということですよね。それは自己欲求ではありません。
欲求というのは、無意識のうちに身体が動いてしまうことですから、すでにその行動を始めていないとおかしいのです。
2.自己能力:自分の“必殺技”をあぶり出す
自己能力とは、あなたの動作・行動の勝ちパターンのことです。ポケモンで言うと、あなたの必殺技を見ていきます。
ワークでは、あなたのこれまでの体験を行動分解していきます。
すると、「あれ、自分はこの行動が得意かも」といったことがあぶり出されてくるのです。
事例をご紹介しましょう。
私たちのクライアントの中に看護師の方がいました。
その方に、日々の業務の分解をしてもらいました。
患者さんに体調を聞く、器具や装置を交換する、シフトを組む、医師のサポートをする、などのさまざまな業務に分解できました。
その方はいくつかの病院で勤務していたので、A病院での業務、B病院での業務……と勤務先ごとに細かく書き出してもらいました。
その上で、「この業務は苦ではない」「この業務は身体が動かなかった」と2色に色分けしてもらったのです。
すると、その方は「あ、私は患者さんに体調を聞く時間は苦ではなかった」とわかったのです。
中には、1人ひとりの患者さんと向き合うのが苦手という人もいます。
ですが、その看護師さんの場合は得意だったのです。
その人にとっての武器となるもの、必殺技となるもの、それが自己能力です。
そして、この自己能力は、人によってまったく異なります。
同じ看護師という職業に就いていても、「効率よく注射をしたり点滴を交換するのが得意」という人もいれば、「シフトを組んだり、スタッフをマネジメントするのが得意」という人もいれば、「冷静に救急対応、処置ができる」という人もいます。
自己能力は重要なものなのですが、自分にとっては当たり前すぎて気づかない人が多いのです。
そしてこれを知らない状態で、業界、職種、肩書き、条件を優先して転職活動をしてしまう人もいます。
そのような動き出しだと、2年後に「私は何でこんな仕事をやっているんだろう……」となってしまうことは目に見えています。 【次ページ】なぜ「今までの自分」を知ることが必要なのか? 理由は2つ
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