- 2025/05/18 掲載
「東大入試」本当の恐ろしさ──答えをたった「30文字」で書かせるワケ(2/2)
ビジネスだろうが勉強だろうが、絶対プラスになる
はっきり言って、要約力を身に付けることは、ビジネスだろうが勉強だろうが、どんな場面でも絶対にプラスになります。たとえば、相手の話を聞いて、「要するにそれって、こういうことですね」とスパッと答えられる人って憧れますよね。「相手の話をきちんと理解できる、理解力がある人」だと捉えられるわけですが、これは実は相手の話を「要約」しているという点で、「要約力がある人」だと捉えることもできると思います。つまり、「要約力」は「理解力」でもあるのです。
また、プレゼンや説明がうまい人って、理知的な印象がありますよね。「ポイントはこれです!」と明確に示せて、そしてその内容がグッと来る言葉になっている人って、憧れられる場合が多いと思います。これも実は、「自分が話したいことを、しっかりとポイントを押さえて要約できる」という点で、「要約力がある人」のことなのです。つまり、「要約力」は「説明力・プレゼン力」でもあるわけです。
記憶に関しても同じです。皆さんは「記憶力のいい人」と聞くと、なんでもかんでもたくさんのことを記憶できる人だと思っているかもしれませんが、それは違います。たとえば歴史についてとても多くの知識を持っている人でも、教科書に書いてある文言を一言一句忘れずにすべて覚えているわけではありません。ポイントを押さえて、覚えるべき知識を整理して記憶していて、いらない知識を覚えていないから、「必要な知識をしっかり有している人」になっているのです。つまり、「要約力」は、「記憶力」とも言い換えられる場合があるのです。
要約力は、理解力であり、説明力であり、記憶力です。要約力がある人は、相手の話を理解することも、相手にきちんと説明をすることも、覚えるべき知識を取捨選択して忘れないようにすることも可能になります。
要約できるから「頭のいい人」になれるのです。だからこそ、東大という大学は「要約力」がある学生を求めていて、入試で出題しているわけなのです。
日常生活の中で「頭を良く」していく3つのプロセス
「要約力」について、ご理解いただけましたか? とはいえ、僕は皆さんに、「じゃあ今から要約の問題をいっぱい解いてみましょう!」というように、学習参考書のようなことを言ったりはしません。そうではなくて、日常生活の中で使えるような、相手の話を整理して自分の中で解釈しそれをぶつける過程について、皆さんにお話ししたいと思います。ここでは、「要約」というものを、3つの過程に分解しています。
「要約」=「事実整理」+「言語化」+「情報解釈」

言語化は、相手に対して上手に説明し、言葉にするための能力です。相手に伝わりやすいプレゼンをするための能力であり、これができるようになると説明力が上がります。
情報解釈は、「事実整理+言語化」で整理した内容を、自分なりに噛み砕いて解釈することです。一を聞いて十を知るという言葉がありますが、まさにこの言葉のとおり、1の情報を10の解釈に広げる能力であり、これができるようになると理解力が上がります。
この3つの過程を総合して、「要約」が完成します。この3つのプロセスを経て、ぜひ「頭を良く」してもらえればと思います。
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