• 2025/06/21 掲載

「今の仕事がつまらない」人をガラッと変える、3つの「問いかけ」(2/2)

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悩みが驚くほど解消されていく「環境」とは?

 アドラー心理学では「人間のすべての悩みは、対人関係の悩みである」と断言しています。

 さらに続けて、「対人関係のゴールは、共同体感覚である」とも言っています。

 まとめると、人間の悩みはすべて【対人関係】に関わることであり、その悩みは【共同体感覚】を持つことで解決できるというわけです。

 共同体感覚とは、その人が【居場所】と【出番】を持つことです。

「自分はここに居ていい」(=居場所)
「仲間の役に立てる」(=出番)

 そのように感じられる環境に身を置くことが、共同体感覚のある状態と言えます。

 そのためには、誰かと上下の【タテの関係】にあるのではなく、対等に意見を言い合える【ヨコの関係】でつながっていくことが大切というわけです。

 そのような【ヨコの関係】を築いた環境で「居場所」と「出番」を感じられると、人間の悩みは驚くほど解消されていきます。

 近年では【心理的安全性】という類似したキーワードでも、その重要性が認識されるようになっています。

 前置きが長くなりました。

 何を隠そう、この共同体感覚を生み出すための方法こそが「多様性を問う」になります。アドラーはこう説きました。
「ピンク色のレンズの眼鏡をかけている人は、
世界がピンク色だと勘違いをしている。
自分が眼鏡をかけていることに気付いていないのだ」
 私たちはよく、世界をピンク色に見ていることがある。

 自分だけの眼鏡で世界を見てしまう傾向がある、ということです。

 そして、自分の眼鏡(認知)がピンク色だと気づくためには、「多様性」を問い、自分と世界との違いを認めることが有効です。

 そうしてはじめて、【ヨコの関係】を築くことができます。

 ですから、もし対人関係の悩みが出てきたときは、まず「自分自身」にこう問いかけてみてください。

「どうしてそう思ったの?」
「何が大事なの?」
「なんのため?」

 さらに、その「相手」に対しても、同じように問いかけてみてください。決してイラついたり、ネガティブな表情はしないで。

 目の前の人の行動が「正しいか間違っているか」を判断するのではなく、「その人は、どういう目的でそうしているのか?」「どんな背景や眼鏡(認知)を持っているのか?」と問うことが、心理的安全性を構築する近道になるのです。

2~3週間ほど自分に問いかけ続けて得た「気づき」

 逆に、自分の多様性や価値観がハッキリすると、今の仕事への向き合い方も大きく変わります。

 ある会社のキャリア研修を担当したとき、「今の仕事がつまらない」「やりたいことがわからない」と悩む20代の男性ノグチさんがいました。

 私はノグチさんに、「どうして、そう思うの?」「何を大事にしてるの?」と、自分自身へ多様性を問いかけるよう、促してみました。

 ノグチさんは、
「前の総務部門では人と話す機会が多くて、それが楽しかった」
「異動先のIT部門では人と話す機会が減ってしまい、自分には合わない」
と感じていたようです。

 彼はさらに、
「前はどうして楽しかったんだろう」
「仕事をする上で、何が大事なんだろう」
と2~3週間ほど問いかけ続けました。その結果、本当に大事だと感じているのは「自分のアイデアで人に喜んでもらうこと」だと気づいた彼。

 1カ月後に再会したときには、
「仕事が楽しくなったんです!」
「今やってるシステム化の仕事こそ、自分のアイデアが生かせるし、周りの人に喜んでもらえる仕事だったんですよ!」
と、顔いっぱいの喜びをぶつけてきてくれたのです。仕事内容は変わっていないにもかかわらず、です。

 こうして、何が大事かを自分で見つけることができると、不毛だった時間が一気に充実した建設的な時間へと変わります。「心のズレ」が解消されるのです。

「何が大事?」は行動をガラッと変えるきっかけになる

画像
不毛な時間をゼロにする』をクリックすると購入ページに移動します
 ほかにもある50代の男性は、「何が大事?」と聞かれて、「身近にいる人を幸せにすること」が自分にとって一番大切な価値観だと気づいたそうです。

 そして「一番身近にいる奥さんを、もっと幸せにしたい」と思い直し、24年前に結婚式を挙げた教会で、ちゃんと言えてなかったプロポーズをしたそうです。

 奥さんは照れながら「これからも、よろしくね」と応えてくれたそうです。

 こんなふうに、「何が大事?」という口ぐせは、私たちの判断基準を明確にして、行動をガラッと変えるきっかけになります。

 もし、あなたが日常生活で判断に迷ったら、まず自分に「何が大事?」と問いかけてみてください。それだけでも驚くほど頭が整理されます。

※本記事は『不毛な時間をゼロにする』を再構成したものです。

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