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  • 2025/07/02 掲載

スゴすぎ…コンサル業界の「生成AI活用」最新図鑑、新しい“仕事内容・儲け方”大解説

連載:デジタル産業構造論

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生成AIサービスに搭載されたDeepResearch機能の登場により、誰もが簡単に「情報収集・分析・レポート作成」を行える時代が到来した。特にその影響を色濃く受けているのが、深い市場リサーチをもとに企業へ助言を行ってきたコンサル業界だ。「コンサル不要論」が再びささやかれる中で、一部の先進的なコンサルティングファームでは、調査、仮説立案、提案資料作成といった業務プロセスが静かに再定義されつつある。大きな転換期を迎える今、その最前線で何が起きているのか。業界の最前線で進む「生成AI活用術」を解説する。
執筆:d-strategy,inc 代表取締役 、東京国際大学 特任准教授 小宮 昌人

d-strategy,inc 代表取締役 、東京国際大学 特任准教授 小宮 昌人

株式会社d-strategy,inc 代表取締役CEO、東京国際大学 データサイエンス研究所 特任准教授

 日立製作所、デロイトトーマツコンサルティング、野村総合研究所、産業革新投資機構 JIC-ベンチャーグロースインベストメンツを経て現職。2024年4月より東京国際大学データサイエンス研究所の特任准教授としてサプライチェーン×データサイエンスの教育・研究に従事。加えて、株式会社d-strategy,inc代表取締役CEOとして下記の企業支援を実施(https://dstrategyinc.com/)。

(1)企業のDX・ソリューション戦略・新規事業支援
(2)スタートアップの経営・事業戦略・事業開発支援
(3)大企業・CVCのオープンイノベーション・スタートアップ連携支援
(4)コンサルティングファーム・ソリューション会社向け後方支援

 専門は生成AIを用いた経営変革(Generative DX戦略)、デジタル技術を活用したビジネスモデル変革(プラットフォーム・リカーリング・ソリューションビジネスなど)、デザイン思考を用いた事業創出(社会課題起点)、インダストリー4.0・製造業IoT/DX、産業DX(建設・物流・農業など)、次世代モビリティ(空飛ぶクルマ、自動運転など)、スマートシティ・スーパーシティ、サステナビリティ(インダストリー5.0)、データ共有ネットワーク(IDSA、GAIA-X、Catena-Xなど)、ロボティクス・ロボットSIer、デジタルツイン・産業メタバース、エコシステムマネジメント、イノベーション創出・スタートアップ連携、ルール形成・標準化、デジタル地方事業創生など。

 近著に『メタ産業革命~メタバース×デジタルツインでビジネスが変わる~』(日経BP)、『製造業プラットフォーム戦略』(日経BP)、『日本型プラットフォームビジネス』(日本経済新聞出版社/共著)。経済産業省『サプライチェーン強靭化・高度化を通じた、我が国とASEAN一体となった成長の実現研究会』委員(2022)、経済産業省『デジタル時代のグローバルサプライチェーン高度化研究会/グローバルサプライチェーンデータ共有・連携WG』委員(2022)、Webメディア ビジネス+ITでの連載『デジタル産業構造論』(月1回)、日経産業新聞連載『戦略フォーサイト ものづくりDX』(2022年2月-3月)など。

【問い合わせ:masahito.komiya@dstrategyinc.com】

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生成AI活用の登場により、コンサル業界の仕事・ビジネスモデルが大きく変わろうとしている…具体的にどう仕事の工程は変わるのか?(記事後半で詳しく解説します)

生成AI登場の影響は…?コンサル業界の危機感

 生成AIやAIエージェントの活用が急速に広がり始めている昨今、あらゆる知識やファクトについては、生成AIとの会話の中から引き出すことが可能となり、もはや「沢山知識を持っていること」自体の価値は、相対的に減少したように思える。

 そんな生成AI登場の影響を大きく受けているのがコンサル業界だ。たとえば、1番分かりやすい例として、コンサルタントの主要業務である「コンサル対象企業およびその周辺市場のリサーチ業務」は、DeepResearchの登場により劇的に変化していくことが予想されている。

 一般的に、従来のコンサルタントのリサーチ業務は、仮説を立てるために行う「初期リサーチ」、Webやデータベースを使った「詳細リサーチ」、そしてインタビューなどを通じて1次情報に当たり、リサーチを深掘りする「検証」という3段階で構成されている。DeepResearchの導入により、初期~詳細リサーチの工程は自動化・高速化され、Web上にないリアルな一次情報を取得する「検証」に割ける時間を増やすことができるようになるのだ。

 リサーチ業務はあくまで一例であり、コンサルティングファームとしては、早期に生成AI活用を通じて、業務オペレーションやビジネスモデルの変革に取り組むことが急務となっている。それほど影響は大きいのである。

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生成AIによるコンサルティング業界への影響
(出典:筆者作成)

【図解】コンサル仕事のどこで使える?生成AI活用パターン

 たとえば、企業の生成AI活用は、下記のような形で3つの段階に分けることができるが、これに沿ってコンサル仕事における生成AI活用のパターンを見ていくと、多くの仕事が自動化・置き換え可能なことが分かる。
■生成AIの利用段階(小宮昌人.『生成DX~生成AIが生んだ新たなビジネス~』.SBクリエイティブ)
・生成AI活用1.0:生成AIサービスを単独でそのまま利用することによる業務効率化
・生成AI活用2.0:自社データ・ナレッジと生成AIを組み合わせたオペレーション変革
・生成AI活用3.0:生成AI活用による新たなソリューション・ビジネスモデル開発

 具体的に、コンサルティングファームにおける生成AI活用の取り組みの方向性(一例)をまとめたのが下図である。

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コンサルティングファームにおける生成AI活用パターン(モデル1.0~3.0)
(出典:拙著『生成DX~生成AIが生んだ新たなビジネスモデル~』より筆者作成)

【Before→After図解】コンサルの業務工程はこう変わる

 ここからは、さらに細かく、コンサルティングファームが顧客企業から依頼を受けてから、調査~提案するまでの工程が、どう変わるのかを見ていきたい。

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