- 2025/07/26 掲載
売れない原因はジャイアンの服だった…絶大効果を発揮する「色」と何?(2/3)
Apple社のロゴマークはなぜ「かじられたリンゴ」なのか
1番手の左前という特等席を確保できたとしても、「ずっと安泰」というわけにはいきません。なぜなら、飲み会の中盤ともなると、ほかの人の脳がそれに慣れてしまい、あなたに特別感を見いだせなくなるから。
それに「途中で席が替わる」なんていうのもよくある話です。
そこで、話さずともあなたの注目度が瞬間的に上がって、パスが来やすくなる方法をお伝えしましょう。
その手法とは、心理学で「ゲシュタルトの法則」と呼ばれるものです。
次の「ゲシュタルトの欠けた円」といわれる図を見てください。
これは「なんで欠けているんだろう?」と気になったり、欠けているものを埋めたくなったりする心理が働くために起きる現象で、人間には、形を整えておきたいという無意識の欲求が備わっています(世界中で支持されているApple社のロゴマークも、「かじられたリンゴ」ですよね)。
この心理作用を応用すると、瞬間的に話を振ってもらいやすい状況がつくれます。
それは、「自らちょっと席を外し、自分が欠ける」という手法で、自分が一度場から消えることで、その場に心理的な変化を与え、残された人たちは空いている席が気になりはじめます。
気にさせることで相手の前頭葉を刺激し、自分が戻ってきたときには、「欠けたものを埋めよう」という心理を働かせて、ふたたびパスを増やすというテクニックです。
グループインタビューでも、パスが集まりだした4番手の人に席を少し外してもらい、ふたたび戻ってもらうと、パスはさらに集中しやすくなります。
ただし、あまり会の冒頭で席を立っても効果が薄いので、早くても20分くらいしてから(できれば会の中盤)、そして使うのは1~2回まで、と心得ておきましょう。
会議で行きづまったときや、飲み会で話題が尽きたときにも使えて、お手洗いに立ってみることでも場の空気を変えられるのでおすすめです。
ジャイアンが着ている「服」の問題点とは
先ほどは「どうすれば振ってもらいやすくなるのか」に着目しましたが、「1番手の右真横ポジショニング」のように、「振ってもらいにくくなる」行為は避けたいところ。もちろん、「ムッとした表情」をしたり、「いかにもつまらなそうな態度」を取ったりするのはいただけませんが、気をつけているつもりでも、意外なところで「振りづらい」を演出しているかもしれません。
意外なところとは、ずばり「服装」。
それも、「何を着ているのか」ではなく、「何色の服を着ているのか」がカギになってきます。
いきなりですが、『ドラえもん』に出てくるジャイアンは、主張が激しい、いかにもな1番手ですが、「ついていきたい」と思われるタイプじゃないですよね。実はこれ、着ている服にも問題があると私は分析しています。
ジャイアンといえば、私はオレンジのセーターに茶色のズボンというイメージなのですが、この「オレンジと茶色」という組み合わせが問題なのです。
実際に、私もこの色で痛い目を見た経験があります。
スーパーで取り扱っている商品の中に、まったく売れないソーセージがありました。売り場を工夫してもまったくダメで、アンケートを取ると「まずい」とまで言われる始末。
メーカーさんの名誉のためにも申しあげておきますが、決して味が悪いわけではありません。
しかしながら、結局はあまりに売れなくて、姿を見なくなりました。
このソーセージのパッケージの色が、まさにジャイアンの服の色と同じ配色。オレンジと茶色を使ったデザインでした。
さまざまな行動分析をして後からわかったことですが、この「オレンジと茶色」の組み合わせは、脳からすると、悲しいことに安っぽく見えてしまい、前頭葉が刺激されにくい「商品には不向きな色の組み合わせ」だったのです。
脳がどれだけ見た目に左右されているか、このとき改めて感じました。
これをコミュニケーションに置き換えるとどうなるのか。
安っぽく見られるということは、存在や発言が軽んじられ、「関わらなくてもいい」空気がどことなく出やすくなります。そんな「前頭葉が気にならない人」に、話を振ろうとはなかなか思ってもらえません。
飲み会だけでなく、プレゼンや会議の場でも、オレンジと茶色の組み合わせは避けたほうが無難でしょう。オレンジの服自体が悪いわけではありませんが、その上に茶色のカーディガンを着たりはしないほうがいいと思います。 【次ページ】効果は絶大、無視できない「色」の効果
グループウェア・コラボレーションのおすすめコンテンツ
PR
PR
PR