- 2025/08/21 掲載
「倒産ラッシュ時代」に突入か?12年ぶり高水準、調査で判明した“最も危ない業界”
業種・地域・規模別の最新データが示す今後の倒産リスク分析
調査は、帝国データバンクが現地調査や独自ネットワークで収集した情報をもとに、企業の1年以内の倒産確率を10段階で算出する「倒産予測値」を用いて実施された。分析対象は全国147万社に上り、2025年6月時点の動向がまとめられている。その結果、今後倒産リスクが高いとされる「高リスク企業」(グレード8~10)は全国で12万8552社となり、半年前から1592社増加した。2025年上半期の倒産件数は5003件に上り、12年ぶりに5000件を超える水準に達している。
業種別では『製造業』が3万3465社で最多となり、半年間で4894社増加した。『建設業』も3万20社と増加しており、資材や人件費の高騰に加え、価格転嫁の難しさが影響している。一方、『小売業』(2万4050社)や『運輸・通信業』(1万359社)は減少しており、飲食店や飲食料品小売業、運輸業などで倒産リスクの高い企業が市場から退出した結果とみられる。
また、業種内の高リスク企業割合(出現率)をみると、「出版・印刷・同関連産業」が41.0%、「飲食店」が38.3%、「皮革製造業」が37.6%と突出して高い。これは全体平均の8.7%を大きく上回っており、特定業種の経営環境がより厳しい状況にあることを示している。
地域別では「長野県」の出現率が14.9%で最も高く、栃木県や島根県も上位に並んだ。売上高別では「10億円未満」の企業が全体の96.6%を占め、従業員5人未満の小規模企業が中心となっている。
帝国データバンクは、今後も建設業や製造業を中心にリスクが拡大する可能性を指摘している。小規模事業者は特に資金繰りの限界に直面しやすく、倒産件数の増加が懸念される一方で、生産性向上やDX推進、人材投資などの取り組みによって競争力を高める企業は、厳しい環境を乗り越える可能性があるという。
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