- 2025/09/13 掲載
どうやって…? あの町中華やコロッケ店が「閉店地獄の商店街」でも生き残れるワケ
経営コンサルタント、講演家。セミナー会社経営。大阪大学卒業後、電機・自動車でのサプライチェーン・調達業務に従業。現在、未来調達研究所に所属。未来調達研究所にて、多くの無料教材を提供中。コンサルティングにくわえて、企業講演、各メディアでの出演・執筆を行う。代表的な著作に「調達・購買の教科書」「調達力・購買力の基礎を身につける本」(日刊工業新聞社)、「営業と詐欺のあいだ」「買い負ける日本」(幻冬舎)等がある。
多くの店舗が閉店する商店街…どうやって生き残る?
地方で商店街を歩いていると、多くの店舗が閉店していることに気づきます。私も地元に帰省すると近くの商店街を歩きますが、かなりの店舗が営業をやめています。しかし、それでも営業を続けている店舗もあります。その中には、たとえば駄菓子屋や、町中華、ジャズ喫茶、コロッケ店、酒屋、スナックなどがあります。一体、彼らはどのようにして生き残っているのでしょうか。若い世代にとって、もはや町中華は“珍しい店舗”に
このところ町中華が人気ですね。町中華とは、地元の人たちに昔から親しまれてきた大衆向けの食堂です。少し前まで古臭くてやや入りにくい感さえありましたが、それが今やSNSでは町中華に関する投稿があふれ、中高年男性ばかりではなく、若い男女が撮影しているものも多く確認できます。この現象はいくつかの側面から解説ができます。まず、おしゃれさの反動であるということです。通常、SNSではおしゃれで豪華な食事の投稿ばかりが目につきます。しかし私たちは当然そのようなものばかり食べているわけではありません。たまには町中華を食べたくなる気持ちはよくわかります。また、それが結果として、他の豪華な料理のSNS写真と差別化を図っているでしょう。さらに、店のマスターと知人になれば、手軽に好みの味にカスタマイズしてもらえる、そんな新鮮な「体験」に惹かれている人もいるはずです。接客のマニュアルがないからこそ、その店主の個性や人間性を感じることができます。加えて、レトロブームの一環として消費されている側面もあるでしょう。町中華の店内はレトロな雰囲気で、昭和生まれの世代にとってはノスタルジックですが、若い世代の人たちは、初めて見る光景に驚くかもしれません。今日ではもはや町中華が1つの珍しい店舗として受け止められているのです。
たしかに、潰れている町中華は数多くあります。しかしながら、潰れていない町中華の店舗は、うまく時代のブームに乗ろうと工夫しています。
時代のブームに乗ることは、もちろん悪いことではありません。むしろ徹底的に利用するべきではないでしょうか。そこで、次にジャズ喫茶の話をします。 【次ページ】『BLUE GIANT』の大ヒットを機に常連客をつかんだ店も
流通・小売業界のおすすめコンテンツ
PR
PR
PR