- 2025/09/19 掲載
市区町村「DX偏差値ランキング」トップ20、自治体デジタル化の“最先端”はどこ?

全国総合・人口規模別ランキング
「自治体ドックランキング2025」は、全国の市区町村を対象に、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進度を可視化した調査である。総務省が実施する「地方公共団体における行政情報化の推進状況調査」を一次データとし、うるるが独自に設計した評価指標を基にスコア化した。評価は「推進体制」「フロントヤード改革」「情報セキュリティ」「デジタルデバイド対策」「行政サービス高度化」の5分野、計343項目で構成され、各自治体を10点満点で採点。平均点を偏差値として算出し、全国総合ランキングと人口規模別ランキングがまとめられている。
■全国総合ランキングの傾向
全国1741自治体の総合ランキングでは、大阪府豊中市がDX偏差値76.3で1位、大阪府堺市が76.0で2位、東京都町田市が74.7で3位となった。いずれも行政サービスのオンライン化や窓口手続きの効率化といったフロントヤード分野で9~10点台を記録しており、高い評価につながった。
4位は宮崎県都城市(74.4)、5位は広島市(73.4)、6位には千葉市・練馬区・浜松市(いずれも71.2)が同率で並ぶなど、地域や人口規模を超えて多様な自治体が上位に入ったことが特徴である。
■人口規模別ランキングの特徴
人口規模別ランキングでは、各区分で異なる自治体が上位に入った。
・大規模自治体(人口20万~50万人未満、97自治体)
1位は豊中市(76.3)、2位は町田市(74.7)、3位は愛知県一宮市(71.2)。いずれも偏差値70を超えており、特に一宮市は「DX推進体制」の分野で高評価を得た。
・中規模自治体(人口5万~10万人未満、237自治体)
1位は新潟県三条市(69.1)、2位は同じく新潟県柏崎市(69.0)、3位は岐阜県高山市(68.4)。上位3自治体のDX偏差値は68~69台に集中しており、安定した水準で拮抗している。
・小規模自治体(人口5千~2万人未満、526自治体)
1位は石川県羽咋市(65.4)、2位は山梨県市川三郷町(63.8)、3位は青森県五戸町(63.4)。小規模自治体全体のフロントヤード平均が3.2点にとどまる一方で、上位3自治体はいずれも8点台を記録しており、住民接点での取り組みが際立った。
■上位自治体に共通する要因
うるるは、上位自治体に共通する要因として「行政トップのリーダーシップ」と「外部人材を含めた推進体制」を挙げている。豊中市は行政手続きのオンライン化を100%達成し、堺市は「DX PRO」を育成。町田市のメタバース活用や都城市の生成AI導入など、先端技術を住民サービスに取り込む動きも目立つ。
また、新潟県三条市や石川県羽咋市などの小規模自治体では、外部人材の登用や共同クラウドの利用によってリソースを補いながらDXを推進している点が注目される。
一方で、全国的には情報セキュリティやデジタルデバイド対策が遅れており、推進体制が十分でない自治体もあると指摘。同社は「課題と現状に向き合い、持続可能なDXを実現することが労働力不足の解決につながる」としている。
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