- 2025/11/07 掲載
閉幕から3週間……「万博」閉幕後の“リアル”、日本が「本当の成果」を得る5つの視点
大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。著書は『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社:共著)など。
熱狂の後に何が残った? “アフター万博”5つの重要視点
日本国際博覧会(大阪・関西万博)が閉幕して3週間余りがたったが、“アフター万博”の動きが活発化している。マスコットキャラクターのミャクミャクは、撮影会を開催したり、各地に出張したりと、閉幕後も忙しそうだ。万博での展示品の一部は、大阪や東京の美術館で展示されている。
大阪では「新・万博ストア」がオープンして、記念グッズは継続的に売られている。一方で、工事費の未払い金は10億円を超えているが、問題解決の糸口は見えていない状況だ。
博覧会協会は本万博の収支は230億円~280億円の黒字と発表している。しかし、運営費に関してで、会場建設費や夢洲駅開業などの費用は含まれていない。なお、会場建設費は当初計画の約1.9倍に膨れ上がっている。大好評だった「大屋根リング」の建設費は350億円が投じられている。
本当に万博が成功だったか否かを判断するためには、今後の経済波及効果も踏まえて判断する必要がある。実際、より詳細の成果はこれから検証され、どのような遺産(レガシー)を残していくのか、これから検討が進められる計画だ。
万博の余韻はまだ残っている状況だが、熱狂が冷めた後はすべてが忘れ去られる──では意味がない。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ということわざに象徴されるように、日本人は過去にとらわれず、すぐに忘れてしまう傾向があるが、市民としてもしっかりと成り行きを見守っていくことが重要だ。
これだけの話題を呼び、多くの人々に感動を与えた万博であるからこそ、多くの可能性も開かれている。今後のチャンスも大きいと筆者は考えている。
その可能性について、5つの視点から論じたい。 【次ページ】万博の「本当の成果」はこれから決まる
政府・官公庁・学校教育のおすすめコンテンツ
PR
PR
PR